的中率70%!? 1週間前に地震を知らせる「予知するアンテナ」登録者急増中

2017年6月24日 20:20

印刷

 大地震への警戒・危惧は消えることがない。これまで企業や法人を対象とした地震予知サービスはあったが、個人への同様のサービスはほとんどなかった。個人に対しても事前に確度の高い地震予知情報が提供されれば、地震に対して事前にリスク対策を立てることができるはずだ。

【こちらも】機械学習で地震予知 ケンブリッジ大が実験に成功

 Webコンテンツの企画から制作・モバイル受託開発を行うテンダが提供する個人会員向け地震予知情報配信サービスサイト「予知するアンテナ」の利用者が急増中だ。2016年9月にサービスが開始され、2017年3月末時点で3,000人突破している。

 「予知するアンテナ」の地震予測の仕組みを説明しよう。日本地震予知学会代表理事で電気通信大学名誉教授の早川正士氏による地震予知理論をベースとした個人向けの地震予知サービスだ。同大学発ベンチャー企業「早川地震電磁気研究所」が観測する、地震の前に発生する電磁波(ULF/VLF)を直接受信し地下での前兆現象をとらえる方法、地上から送信される電波(VLF/HF/VHF)の異常を観測し、地上において宇宙での前兆現象をとらえる方法の複合観測で地震を予知する。

 繰り返しになるが、特筆すべき点は「複合観測」という点だ。VLF電波を用いた地震予知サービスは昔からあったが、今回、大地震に対して短期予測の可能性があると期待される様々な電波(ULF/ELF/HF/VHF)を加えた複合観測をすることで、より精度の高い情報が取得可能となるという。複数の電波を用いた複合観測は世界でも初めての計測手法と言われている。テンダでは、この計測手法により70%と精度の高い的中率の予測情報が地震発生の1週間前に取得可能になるとしている。

 「予知するアンテナ」はサイトからメール登録すると無料で全国の災害情報や、防災・減災のための情報を確認することができる。さらに月額500円の有料会員になると、自分が住んでいる地域の直近約1週間に起こると予想される地震の地域・規模などを知ることができるようになる。

 現在、予知の対象となるエリアは関東地区が中心だ。東京都(小笠原諸島除く)、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県(佐渡含む)、山梨県、長野県、静岡県、宮城県、山形県、福島県。なお、収益金の一部は、解析技術の研究開発や、観測点の新設・整備、観測機器の購入・保守管理、観測プログラムの開発などに充てられるという。(記事:久保圭大郎・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事