熱冷めやらぬ「けもフレ」ブーム、舞台化もされたコンテンツの魅力は?

2017年6月23日 20:39

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アニメ、漫画、舞台だけでなくキャラクターソングもヒットしている『けものフレンズ』だが、どこまで人気を伸ばすのだろうか(c)ビクターエンタテインメント

アニメ、漫画、舞台だけでなくキャラクターソングもヒットしている『けものフレンズ』だが、どこまで人気を伸ばすのだろうか(c)ビクターエンタテインメント[写真拡大]

■『けものフレンズ』の舞台再演が決定


 2017年1月~3月に放送されたアニメ『けものフレンズ』の人気が止まるところを知らない。ゆるい雰囲気と擬人化された動物のキャラクターがヒットの理由と考えられているが、アニメに止まらず舞台まで上演される人気ぶりとなっている。

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■コンテンツとしてヒットしている『けものフレンズ』


 『けものフレンズ』は深夜帯に放送されたアニメ。2015年からスマートフォン専用アプリが先行配信されており、その後に『月刊少年エース』にてコミカライズされている。アニメを含めたメディアミックス要素が強い作品で、ニコニコ動画で行われた生放送では再生回数が100万回を突破した作品だ。

 内容としてもどこか凝った作りがあるわけではなく、擬人化された動物と「かばんちゃん」と呼ばれる人間が触れ合う様子が中心となっている。全体的に柔らかい雰囲気で、台詞も「すごーい」や「たーのしー」など感情をそのまま表現したものが多い。

 何も考えずに流し見できる点や癒し的な要素を含んだ本作は現代人の心をつかみ、様々な企業やメディアとコラボを果たしている。その中でも話題となったのが舞台化である。「品川プリンスホテル クラブeX」にて2017年6月14日から18日で開演され、『けものフレンズ』の声優たちがそのまま舞台に登場する形となった。

 ストーリーは舞台オリジナルの書き下ろしとなっており、各声優がアニメと同じような恰好をして登場。その再現度は高く、舞台だからできる『けものフレンズ』を声優陣が熱演したようだ。その評判から、すでに2018年1月に再演されることが決定している。

■今後のコンテンツ制作にも重要な「ライブ感」


 『けものフレンズ』は制作スタッフの想像を超えたヒットを見せている。その理由にはいい意味でのゆるさだけでなく、ライブ感の高さにもあるのではないかと思われる。

 『けものフレンズ』の舞台化は当初からの計画にはなく、ヒットを受けて急きょ3月から計画されたものだったようだ。6月までたった3カ月という期間で舞台公演に踏み切るというのは異例だと思われるが、ファンと声優陣の熱意が舞台化実現には欠かせなかっただろう。

 また、6月12日の深夜にニッポン放送で放送された『ミュ~コミ+プラス』では、本アニメにて声優として参加した内田彩(かばん役)と尾崎由香(サーバル役)が登場し、パーソナリティと共にラジオドラマを放送している。ストーリーはオリジナルのもので、パーソナリティが自由に「けものフレンズ12.42話」を声優と共に作り上げた。こちらの作品も話題となり、多くのファンをにぎわせた。

 始めから規格が決まっており、自由度を感じられない風潮もある中、二次創作に関しても一定の自由度を設けている『けものフレンズ』では、そのような制約も緩く演者・観客が自由に作品を楽しめるようになっている。この自由度が『けものフレンズ』ヒットの最大の理由にあると感じている。

 規格が決められたものにもメリットはあるし、多くの恩恵を受けている。しかし、アニメだけに止まらず各コンテンツについて、利用者の「自由度」を考えることは今後より一層求められると思われる。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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