三菱総研、AIで家庭菜園初心者にアドバイス 実証実験開始

2017年4月15日 10:15

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サービスのポスター(三菱総合研究所の発表資料より)。

サービスのポスター(三菱総合研究所の発表資料より)。[写真拡大]

 三菱総合研究所は12日、対話型人工知能(AI)を活用し、家庭菜園初心者の質問や悩みに24時間即時自動回答するサービスに関して、13日より全国で実証実験を開始すると発表した。国内では初の試みとなる。

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 実証実験の期間は、13日から8月31日まで。家庭菜園初心者のトマト栽培に関する悩みへのアドバイスをAIが行い、手本となる栽培状況の発信が行われる。栽培状況の発信には、カゴメのトマト苗を使用。サービスエリアは全国となり、実験用に設置されたLINEアカウントを友だち追加することで、誰でも参加できる。

 友だち追加URLは、https://line.me/R/ti/p/%40svg6981z

 園芸・庭いじり・ガーデニングを趣味とする人は約3,000万人、週1回以上行う人は約1,150万人いると考えられている。三菱総合研究所の調査では、そのうち野菜栽培をする人が約720万人と推計されている。

 家庭菜園初心者は入門段階で失敗して挫折、家庭菜園をやめてしまうことが多く、家庭菜園・ガーデニングが浸透しない一因になっている。AIの栽培アドバイスや、手本となる栽培状況を簡単に受けることができれば、市場を拡大できる可能性も秘めている。

 これまでも、栽培手順を示した動画や検索方式のQ&Aはあったが、初心者の場合、どこでどのような情報を探していいのか分からず、求めている情報にたどり着けず、栽培を途中であきらめてしまうことがあると考えられている。

 実証実験では、利用者にアンケートへ回答してもらうことで、ニーズや要望を収集し、事業化に役立てる。また、実証実験の期間中も随時AIの回答の修正や追加が行われ、精度を高めていく。

 第3次人工知能(AI)ブームが到来していると言われており、続々とAIを活用したサービスが開発されている。AIに参入するベンチャー企業も急激に増えており、政府も多額の予算を計上しようとしている。

 ブームの背景には、ビッグデータの収集が可能になったことに加え、人工知能アルゴリズム「ディープラーニング」の登場により技術開発に勢いがついたことが挙げられる。GoogleやFacebookなど、大手のIT企業も莫大な投資を行った。今後もAIを利用した多様なサービスが展開されることが予測される。(記事:服部小夜子・記事一覧を見る

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