野菜と果物の卸売数量、30年間で大きく減少、果物は半分以下に

2017年1月13日 19:16

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野菜と果物の卸売数量は、ともに30年間で大きく減少している。

野菜と果物の卸売数量は、ともに30年間で大きく減少している。[写真拡大]

 農林水産庁は11日、1985年(昭和60年)から2015年(平成27年)までの青果物卸売市場の累計統計を発表した。それによると、2015年時の卸売数量は、野菜、果物双方とも1985年当時から大きく減少しており、特に果物における減少幅が非常に大きい結果となった。若い世代を中心に「野菜離れ」をしているとはよく聞くが、実態としては「果物離れ」も進んでいることが今回の発表で明らかとなった。

 野菜の卸売り数量は、1985年時において約1,360万トンだったのに対し、2015年時には約1,030万トンと約24%減少。取引価額を見ると、1991年に3兆円を超したことがあったものの、その後は緩やかに減少し続け、2015年には約2兆2,600億円となっている。

 一方、果物の卸売数量は、1985年時は712万トンだったが、2015年には324万トンと半分以下にまで落ち込んでいる。取引価額においても、1985年時には1兆7735億円だったものが、2015年には約1兆347億円にまで減少している。

 野菜も果物も卸売数量、取引価額ともに30年前に比べて大幅な減少となっている。なぜこれほどまでに減少したのか。

 一般社団法人JC総研は、2008年から農畜産物の消費行動に関するWEB調査を行っている。2015年に行われた調査では、野菜を「毎日食べる」との回答は全体の60.9%、「週に一日未満/食べない」との回答は18.4%だった。一方、果物を「毎日食べる」との回答は全体の28.5%で、「週に1日未満/食べない」との回答は18.4%だった。この調査では、野菜、果物ともに「単身女性」と「20代以下」における摂食頻度の低下傾向が顕著であるとの結果も示されている。

 野菜や果物を食べることは、美容や健康に敏感なはずの単身女性にとって大切なことであったはずなのに、現状ではその傾向が薄らいでいるということになる。また20代以下においても、かつては間食として果物を食べることも多かったが、今ではそれがスナック菓子などに取って代わられているのだろう。単身女性と20代以下の世代に向けて、野菜、果物の魅力をどう訴えていくかが、青果物の復活にとって重要なカギとなりそうだ。(記事:荒川・記事一覧を見る

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