電子部品の2016年、スマホ向け停滞、日本メーカーの強さは変わらず

2016年12月31日 10:58

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記事提供元:エコノミックニュース

2015年第3四半期から、スマートフォン自体の出荷が停滞したことにより、同製品分野向け電子部品需要も停滞、電子部品市場全体でも売上、出荷が鈍化しはじめた

2015年第3四半期から、スマートフォン自体の出荷が停滞したことにより、同製品分野向け電子部品需要も停滞、電子部品市場全体でも売上、出荷が鈍化しはじめた[写真拡大]

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 電子情報技術産業協会(JEITA)の調査によると、2016年1月から10月までの世界の電子部品出荷額は前年同期間比8.2%減の3兆1130億円となっている。製品分野別で見ると受動部品が同5.9%減の1兆679億円、このうちコンデンサは同5.9%減の7249億円、抵抗が同5.6%減の1137億円、トランスが同4.1%増の377億円、インダクタが同7.6%減の1872億円となった。

 スイッチ、コネクタなどの接続部品全体の出荷額は同8.6%減の8276億円となった。

 変換部品は全体出荷額が同7.6%減の6578億円、音響部品は同21.3%減の1527億円、センサは同2.5%増の3117億円、アクチュエータが同9.3%減の1931億円となった。その他電子部品では、電源部品が同19.5%減の2093億円、高周波部品が同7.1%減の3494億円となった。

 電子部品需要は2015年第3四半期まではスマートフォン向けに順調に成長をとげており、2015年の通期の出荷額は4兆576億円で同6.6%増となった。特に無線通信分野での需要が多い高周波部品に関しては同57.4%増の4633億円と大幅に増加していた。

 しかし、2015年第3四半期から、スマートフォン自体の出荷が停滞したことにより、同製品分野向け電子部品需要も停滞、電子部品市場全体でも売上、出荷が鈍化しはじめた。2016年に入るとその傾向は顕著なものとなり、前述のように前年割れ状態となっている。2016年通期で見ても前年を下回る見通しである。ただし、用途の拡大が続くセンサに関しては、前年を上回る実績を残している。

 地域別でみると、スマートフォンの世界的な生産拠点となっている中国市場の落ち込みが最も激しく、2016年1月~10月の売上高は1兆1001億円、前年同期間比では13.3%減となった。有力電子部品メーカーが多い日本市場に関しても、前年同期間比5.5%減となっている。いずれも、2016年通期で見ても、同様の結果となると見られる。

 電子部品メーカーを見ると、村田製作所、京セラ、TDK、太陽誘電、アルプス電気、オムロン、日本電産、京セラなどの日本メーカーが大きなシェアを占めている。電子部品市場の停滞の影響、さらには年度前半の円高の影響を受けて、これらの企業の2016年度上期の電子部品事業も苦戦しているようだ。例えば、村田製作所の同期売上高はコンポーネント事業が前年度同期比2.2%減、通信・電源のモジュール事業が同17.5%減。TDKの同期受動部品事業売上高は、同6.9%減となっている。京セラの同期電子部品事業(電子デバイス関連事業)売上高は、販売価格の下落や円高の影響により、同7.7%減となっている。太陽誘電の主力事業であるコンデンサ事業、インダクタ事業の同期売上高はそれぞれ同8.3%減、12.7%減となっている。アルプス電気でも電子部品事業の売上高は前年度同期比二桁の減少(10.4%減)となっている。

 このような状況を打破するため、2016年には各社とも、高付加価値化、自動車などの新規注力分野へのシフトなどの新しい事業戦略を打ち出してきている。これらの戦略は2017年以降本格的に展開していくことになる。(編集担当:慶尾六郎)

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