「ポケモンGO」からみるIoT・モノとネットワークの本質とは?

2016年7月30日 23:26

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記事提供元:エコノミックニュース

今、世界中を巻き込んで大きなブームとなっている「ポケモン GO」。日本国内での配信開始3日後の7月25日の時点ですでに、スマートフォンユーザーの約4割弱がダウンロードして遊んでいることが調査で明らかになった

今、世界中を巻き込んで大きなブームとなっている「ポケモン GO」。日本国内での配信開始3日後の7月25日の時点ですでに、スマートフォンユーザーの約4割弱がダウンロードして遊んでいることが調査で明らかになった[写真拡大]

今、世界中を巻き込んで大きなブームとなっている「ポケモン GO」。日本国内での配信開始3日後の7月25日の時点ですでに、スマートフォンユーザーの約4割弱がダウンロードして遊んでいることが調査で明らかになった。認知度に至っては9割に及ぶというから驚異的なヒットといえるだろう。

 ポケモンGOは、位置情報システムを活用することにより、現実世界そのものをゲームの舞台とする斬新なシステムが最大のウリだが、これは今、社会に大きな変化をもたらそうとしている、サイバーフィジカルシステム(CPS)を娯楽の世界に応用したものだ。CPSとは実世界にある多様なデータや情報をセンサーネットワーク等で収集・集積し、その分析結果を現実世界にフィードバックするもので、これは昨今話題のモノのネットワーク「Internet of Things (IoT)」の基本的な概念でもある。

 電子技術系の展示会などでも、今年はIoTが中心に取り上げられ話題となっている。先日、今年10月の開催が発表された、最先端IT ・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2016」もその一つだ。CEATEC JAPAN 2016では今回、「つながる社会、共創する未来」をテーマにCPS/IoTのもたらす改革的な産業構造とビジネスモデルについての展示に力をいれるようだ。

 IoT拡大に向けて様々な企業や団体が動き出す中、センサや無線デバイスなどで世界的にも注目されているロームも先日、同社製のモジュールを活用したアイデアコンテスト「ROHM OPEN HACK CHALLENGE」の開催を発表している。同コンテストでは、渋谷のデジタルものづくりカフェ「FabCafe」や京都のクリエイティブ・ラウンジ「MTRL(マテリアル)」を運営する株式会社ロフトワークと連携し、学生・エンジニア・クリエイターを対象に行われるものだ。で、優秀な応募作品に対しては、賞金やプロトタイプ開発部品の支給、エンジニアによる製作サポートの他、CEATECを含むロームが出展する国内外の各種展示会への出品機会も提供する予定だという。

 面白いのは、いずれの場合も電子的なコミュニケーション・ネットワークの進化であるとともに、現実世界での(アナログ的な)なコミュニケーションの機会をも拡大しているという点だ。ポケモンでは、歩きスマホが問題となっている反面、引きこもりの若者が外に出る機会となったり、他者とのコミュニケーションを図るキッカケになるなどのメリットもあるといわれている。また、ロームのアイデアコンテストも、“モノづくり”を通じて学生やエンジニア、クリエイターとの交流を深めたり、新たなモノづくり仲間を見つけるなど、に新しい挑戦の機会を与える場の創出が大きな目的のひとつだという。そういう意味では、モノのネットワークIoTの本質は、人と人とを繋ぐネットワークにあるのかもしれない。今後、IoT社会がどのように変貌を遂げていくのか注目したいところだ。(編集担当:松田渡)

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