世界スーパーコンピュータランキング「TOP500」2016年6月版、中国製CPUを採用したスパコンが新たに首位に

2016年6月22日 10:49

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記事提供元:スラド

 6月20日、世界のスーパーコンピュータ性能上位ランキング「TOP500」の2016年6月版が発表された。このリストでは、新たに中国・無錫国立スーパーコンピューティングセンターの「神威太湖之光(Sunway TaihuLight)が性能トップとなっている(時事通信)。このスーパーコンピュータでは、中国が独自で開発したCPUが使われているという。

 top500.orgに掲載されているニュース記事によると、このCPUは「SW26010」という64ビットのRISCプロセッサで、1CPU当たり260コアを備えるという。動作クロックは1.45GHz。アーキテクチャについては不明だが、DECのAlphaから派生したものだと推測されている。SIMD命令を処理でき、また命令のout-of-order実行も可能だそうだ。これはIntelのXeon Phiと同レベルの性能だという。

 Sunway TaihuLightでは、1基のSW26010を搭載したノードを4万960台使用しているとのこと。各ノードに搭載されたメモリは32GBで、採用されているメモリはDDR3メモリだという。

 また、ピーク時性能は12万5435.9TFLOP/秒だそうだ。これは2位に付けた中国・天河二号(Tianhe-2)の2倍以上という数値となっている。いっぽうで消費電力は1万5371kWと天河二号を下回る水準だ。

 なお、前回結果と比較すると、トップ10については1位にSunway TaihuLightが入り、それ以外が1つずつ順位を落とすだけの変動になっている。日本の京は5位。また、同時に発表された1ワット単位のパフォーマンスで順位を決める「GREEN500」の2016年6月版では、理研の「菖蒲」が1位、「皐月」が2位。3位はTOP500首位のSunway TaihuLightだそうだ(日経テクノロジーonline)。

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