【編集長の視点】フリューは4連騰、需給好転・配当期待を高めて直近IPO株買いが増勢

2016年1月15日 09:59

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 フリュー<6238>(東1)は、39円高の2900円と4日続伸して始まっている。同社株は、昨年12月18日に東証第1部に新規株式公開(IPO)されたばかりで、これによる東証株価指数(TOPIX)算入が迫っていることから、TOPIX連動型ファンドなどの買い需要が発生する需給好転を先取りして直近IPO株買いが増勢となっている。また、今3月期配当も、IPO時には未定としていたが、今期業績の続伸から配当継続が有力視され、期待材料としてサポートしている。

■プリントシール機でシェア70%とトップを誇り「ピクトリンク」も好調推移

 同社株は、公開価格3200円で東証第1部に直接上場され、初値は公開価格を20円上回り3320円でつけたものの、この高値を上場来高値にその後は、下値を探る動きが続き昨年12月25日に上場来安値2479円まで調整した。昨年2015年の直接上場株は、同社株や日本郵政<6178>(東1)グループ3社を含めて8社に達し、初値形成については、資金吸収額が、新興市場株などと異なり大規模に達することなどからやや不調になることが多かった。ただ、初値形成後のセカンダリーでは、TOPIX算入に伴う需給好転をテコに出直り色を強める展開となるケースが続出しており、同社も、TOPIX算入を先取り好需給期待を高めている。

 一方、同社の今3月期業績は、増収増益と順調な推移が予想されている。具体的には売り上げ240億8200万円(前期比0.7%増)、営業利益33億4300万円(同10.2%増)、経常利益33億800万円(同0.9%増)、純利益21億6300万円(同13.3%増)と見込まれている。オムロン<6645>(東1)の社内ベンチャーとしてスタートして2006年10月に設立され、2007年4月に経営陣による株式公開買い付け(MBO)により独立、スタート以来の主力事業のプリントシール機では、業界シェアが約70%とトップを走り、プリントシール機で撮影した画像をスマートフォンなどのモバイル端末で取得できる閲覧サービス「PicTLINK(ピクトリンク)」の月額300円の有料会員が、昨年9月末で前年同期比5%増の158万人となったことなどが寄与する。

 また今期配当は、IPO時には未定としていたが、前2015年3月期は26.51円として実施しいえおり、IPO時の記者会見で同社の田坂吉郎社長も、配当継続意向を示しただけに、今年2月予定の今期第3四半期決算発表にかけて配当実施待ちとなる。

■最高値調整幅の半値戻し水準からPER11倍台の下げ過ぎ訂正で全値戻しに拍車

 株価は、年初来安値から800円幅の底上げをし、上場来高値からの調整幅の半値戻し水準をクリアしたが、なお公開価格を下回りPERも11倍台と下げ過ぎを示唆している。相場格言の「半値戻しは全値戻し」の通りに最高値を奪回し、さらに上値チャレンジに弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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