JAXA、超音速機から発生するソニックブームの低減技術を実証

2015年11月3日 19:22

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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、機体が安定した飛行状態で、先端と後端のソニックブームを同時に低減することを世界で初めて実証した。写真:JAXAの発表資料より

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、機体が安定した飛行状態で、先端と後端のソニックブームを同時に低減することを世界で初めて実証した。写真:JAXAの発表資料より[写真拡大]

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、超音速機の機体が安定した飛行状態で、先端と後端のソニックブームを同時に低減する技術を世界で初めて実証した。

 ソニックブームとは、超音速機から発生する衝撃波が地上で衝撃音として感じられる現象である。そして、この衝撃音を低減することが次世代超音速旅客機を実現する最重要課題の1つとなっている。

 JAXAは、独自のソニックブーム低減技術(低ソニックブーム設計概念と形状設計法)を構築し、その実現性を今回の飛行試験で実証すると共にソニックブームの国際基準策定に貢献可能な技術やデータを獲得した。

 また、今回の試験で計測したデータには、当初想定し得なかった大気乱流の影響が含まれていたため、JAXAは新たに解析ツールを開発し、詳細なデータ解析を行っている。これまでに、大気乱流が低ソニックブーム波形に与える影響を解析した例はない。

 今後は、ICAO(国際民間航空機関)に試験結果の報告を行い、将来の超音速旅客機の実現につながる活動を産業界とともに積極的に推進することが期待されている。

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