そーせいグループ、英バイオ企業へプタレス社を約476億円で買収

2015年2月24日 11:49

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そーせいグループは、英Heptares Therapeuticsを最大4億ドルで買収した。写真は、Heptares社のWebサイト。

そーせいグループは、英Heptares Therapeuticsを最大4億ドルで買収した。写真は、Heptares社のWebサイト。[写真拡大]

 医薬品開発のそーせいグループは21日、英バイオ企業Heptares Therapeutics(へプタレス・セラピュティクス)の全株式を取得し連結子会社とすることを決議し、同社の全株式を最大4億ドル(約476億円)で取得したと発表した。

 取得の理由について同社は、現在の主たる収益源は、ノバルティス社に導出しているCOPD治療薬である「シーブリ」および「ウルティブロ」のマイルストンおよびロイヤリティ収入だが、さらなる企業価値の向上を目指すべくパイプラインの強化や新たな事業拡大を図るため、と説明している。この買収により、「日本発の世界トップバイオ企業になる」というビジョンをより迅速に達成できると期待しているという。

 へプタレス社は、英国のMRC Laboratory of Molecular BiologyとNational Institute of Medical Researchの研究成果を事業化するために、2007年に設立され、医薬品ターゲットとして期待の大きい、G タンパク質共役受容体(GPCR)に作用する薬剤を創出する独自の技術を有するバイオ企業。

 自社開発のみならず、独自のドラッグディスカバリー技術を基に、ノバルティス社、アストラゼネカ社、武田薬品工業などの世界トップレベルの製薬企業と提携契約を締結しており、開発の進捗に応じたマイルストン・ロイヤリティ収入を受領できることになっている。今回の買収により、そーせいグループの予測する2019年の収益が3倍に近い水準まで伸び、それ以降も持続的に伸張し続けることが期待されるという。

 また、へプタレス社の保有する独自技術は新規医薬品を効率的に多数創出することが可能であり、それらの自社研究開発の推進、または他社への導出を図ることで短期的な収益確保から、長期的な収益基盤の構築まで、網羅的なポートフォリオ戦略が実現可能となるという。

 今後の役員構成は、そーせいグループの取締役兼代表執行役社長の田村眞一氏のもと、ヘプタレス社は同社の子会社として存続し、最高経営責任者(CEO)のマルコム・ウェイア氏が引き続きCEOとして、国際的な研究開発事業を率いる。同グループの社外取締役のデクラン・ドゥーガンおよびピーター・ベインズがヘプタレス社の取締役として派遣され、ヘプタレス社の CEOのマルコム・ウェイアが同グループの執行役副社長として就任する。(記事:町田光・記事一覧を見る

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