関連記事
NASA、ISSの3Dプリンターで出力されたソケットレンチの3Dデータを公開
headless 曰く、 NASAは23日、国際宇宙ステーション(ISS)の3Dプリンターで出力されたソケットレンチ(のラチェットハンドル)の3Dモデルデータ(.stlファイル)を公開した(NASA 3D Resources — Wrench、NASAのニュース記事、Slashdot)。
ISSには9月からNASAとMade In Spaceが共同開発した3Dプリンター「Zero-G Printer」が配備されている。これまでに出力されたオブジェクトは3Dプリンターと一緒に送られたデータによるものだが、このソケットレンチでは、初めて地球から送信(アップリンク)されたデータを使用している。設計はMade In Spaceのエンジニアが地球上で行い、出力テストやNASAの承認を経てデータをISSにアップリンク。Zero-G Printerを接続したノートパソコンに転送され、4時間ほどで出力は完了したという(Made In Spaceのブログ記事、Mediumの記事、YouTube動画)。
このソケットレンチには可動パーツが組み込まれているが、パーツを個別に出力して組み立てるのではなく、1回の出力で完成品が出来上がるように設計されている。ただし、回転方向の切り替えはできないとのこと。なお、本体に「3 in-lb」(約0.34ニュートンメートル)と刻印されている通り、締め付けトルクは期待できないようだ。本家/.で実際に出力してみたというユーザーのコメントの中には、ラチェットの歯止め部分が弱く、すぐに使い物にならなくなってしまったとの報告もみられる。
このソケットレンチがISSで実際の作業に使われることはないが、地球からアップリンクされたデータを用いて必要なパーツや工具を出力できるようになれば、次回の補給ミッションを待つ必要がなくなる。これにより、宇宙での探査ミッションに新しい可能性が開かれるようになるとのことだ。
スラッシュドットのコメントを読む | サイエンスセクション | テクノロジー | 国際宇宙ステーション | 通信 | プリンター | サイエンス | NASA
関連ストーリー:
国際宇宙ステーションで3Dプリンタの出力実験開始 2014年11月28日
iPS細胞と3Dプリンタ技術などを使って立体組織や臓器を製造する技術を開発へ 2014年11月11日
火傷治療用の人口移植皮膚を作る3Dプリンタ 2014年09月29日
ドラゴン宇宙船、3DプリンターをISSに運ぶ 2014年09月23日
※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク