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久世:第2四半期は2ケタ増収ながら販管費が嵩み大幅減益となる
■既に販管費の低減に取組み、成果が出ていることから下期は収益改善が見込まれる
久世<2708>(JQS)の15年3月期第2四半期連結業績は、既存店のシェア拡大と新規顧客の獲得により、前年同期比で30億68百万円の増収となったものの、販管費が嵩んだことで、営業利益以下が大幅減益となった。しかし、既に販管費の低減に取組み、成果が出ていることから下期には収益の改善が見込まれる。
第2四半期連結業績は、売上高335億92百万円(前年同期比10.1%増)、営業利益△2億70百万円(前年同期54百万円)、経常利益△1億76百万円(同1億81百万円)、純利益△1億43百万円(同96百万円)と2ケタ増収ながら大幅減益。
増収効果により、売上総利益は55億23百万円(同9.3%増)となったものの、遠隔地への配送増加や売上高増加に伴う運賃が5億06百万円増加したことや、人員増により人件費が86百万円増加したこと等から、販管費が7億96百万円増加したことで、上場以来初の赤字となった。
セグメント別売上高比率は、食材卸売事業93.0%、食材製造事業7.5%、不動産賃貸事業0.2%となっている。
個別の販売チャネル別売上高比率は、居酒屋・パブ27.6%、ディナーレストラン・ホテル・専門店20.4%、惣菜・デリカ・娯楽施設・ケータリング14.7%、ファーストフード・ファミレス・カフェ37.3%。居酒屋・パブは前年同期比で2.0ポイント低下している一方で、ファーストフード・ファミレス・カフェは3.1ポイントと大きく伸びている。
第2四半期は2ケタの増収であったものの、運賃や人件費の増加により販管費が嵩んだ影響で、売上高こそは当初予想を上回ったが、利益面では大幅に下回った。その影響で、通期連結業績予想も売上高を上方修正する一方で、利益面では下方修正となった。
今期15年3月期連結業績予想は、売上高685億円(前期比10.0%増)、営業利益△3億50百万円(前期41百万円)、経常利益△1億75百万円(同2億38百万円)、純利益△1億95百万円(同1億円)を見込む。
11月20日第2四半期決算説明会が行われた。同社代表取締役社長 久世 健吉氏は、上期のレビューと今後の施策として、「採算性を重視した攻めの営業」、「物流採算改善と精度向上」、「全ての業務の品質向上」、「海外事業展開の促進」、「グループ力の強化」の順で説明を行った。
「採算性を重視した攻めの営業」として、営業、商品とそれぞれに分けて取組を紹介した。 営業については、個社別採算管理の徹底に向け、顧客別に価格交渉、物流フィーの交渉を開始している。粗利率は第2四半期で0.2ポイント低下しているが、第2の金融緩和で一層の円安となっているため、年末、年始の値上げが目白押しとなっている。そのため、仕入れ価格の高騰に対応した価格改定を行うことで、粗利率を改善する。一方で、代替商品の提案も行っている。また、既存顧客の底上げを行うことでも、利益率の改善を行う。更に、物流を意識した新規開拓と営業活動を行う。既に前期からの攻めの営業により新規顧客の売上が12億円、店舗数が約1500店舗増加しているが、中には配送エリアが厳しく、採算面で合わない顧客もあるため、今期は物流の効率を考えたうえでの新規開拓を行っている。 商品については、独自性のある商品の販売を強化する。上期には新商品及びリニューアル商品を4アイテム発売した。下期は、6アイテムを発売予定。当初は、今期、上期下期で40アイテムを計画していたが、もう一度足元を見直すことと、諸原料の値上がり、委託生産会社の工賃の値上がりを踏まえ、今期は極力新商品の投入を途中から控え、上期下期で10アイテムに絞り込んでいる。現在は、むしろ新商品開発に向ける力を、既存商品のブラッシュアップに向けている。
「物流の採算改善と精度向上」については、委託配送費の削減、物流精度の向上、物流効率化を見据えたシステム投資、委託先会社との連携強化といった4つの課題を挙げている。 委託配送費の削減策として、遠隔地、定期配送便に乗らない顧客に対する臨時便、赤帽の費用が大幅に増加していることから、これを定期便に組み込む作業を実施し、採算性を考えた配送コースの実現に取組んでいる。また、割高な配送費である特別便をなくすために、顧客の理解を得ながら削減している。 物流精度の向上を実現するために、誤配の撲滅、それから出発時間の厳守により、店着時間の誤差をなくすことを掲げている。物流効率化を見据えたシステム投資においては、ボイスピッキングの導入、新発注システム、配送運用管理システムへの投資を実現している。 ボイスピッキングの導入で、ピッキング精度の向上、時間短縮を実現している。 新発注システムにより、発注業務の時間短縮と精度向上、在庫金額の圧縮を達成するために、コンピュータのシステムを変更している。現在、上期に主要DC(在庫保管型センター)に導入して、最大40%の業務工数の削減を達成している。作業の時間短縮については大きく前進している。この結果、構内作業費の低減への素地が出てきたといえる。 配送運行管理システムに関しては、輸配送管理システム、配車最適化システムにより配送の効率化を図っている。輸配送管理システムを導入したことで、顧客からの配送に関する問い合わせにもすぐに答えることが出来るようになっている。現在、一部の車輌にGPS機能を搭載しているが、順次搭載車輌を増やしていくことで、配送状況の可視化を実現する。配車最適化システムでは、どのコースをとれば最も効率的な配送が出来るか調査し、下期に向けて、このシステムが威力を発揮するものと期待している。 その他、委託先会社との連携強化を図り、物流費増加を抑制していく方針。
「全ての業務の品質向上」については、ISО22000の水準維持を図り更なる向上を目指す、品質管理部と営業部門との連携強化、品質検査の体制強化のこの3つを推進することで実現する方針。
「海外事業展開の促進」に関しては、ニュージーランドの事業については、子会社であるキスコフーズインターナショナルが、「東南アジアへの販路拡大、中国への直接販売を展望」、「フォン&ベシャメル製品の拡売による収益基盤の確立」、「新製品の開発と市場への投入」、「必要に応じた新規設備導入による安定的、効率的な生産体制の構築」と4つの目標を持って取組んでいて、いずれも順調に推移している。 中国事業についても、順調に推移していて、来期の単年度黒字化を見込んでいる。6月に成都の市内にキャッシュ&キャリーの実験店舗をオープンしている。また、日本食材からフランスの食材へと食の多様化が進んでいる。そのため西洋料理の食材の開拓と品揃えの強化を図っている。また、成都でもベーカリーの人気が高まっていることからベーカリー市場への新規参入も行っている。
「グループ力の強化」については、4月に旭水産をグループ化し、連結子会社とした。シンガポール、香港、マレーシアを中心としたエリア、それと米国に向けて、海外で展開する日本食の店舗に輸出を開始した。久世と取引している顧客への紹介、販売についても努力している。 キスコフーズについては、素材から調理していくという強みを生かして、9月に「野菜だけで作るとうもろこしのポタージュ」、「じゃがいもだけを使った野菜のポタージュ」、「野菜とかぼちゃだけのポタージュ」を発売した。 久世フレッシュ・ワンでは、千葉県の野菜生産者と組んで、生産を開始した。
以上のように、上期のレビューと今後の施策について説明した後で、「全国の業務用食材市場は約4兆円といわれている中で、首都圏における久世のシェアは約3.2%。今後も首都圏、中部圏、関西圏の3大都市圏で、積極的な提案営業を行い、エリアでNO.1となり、東京オリンピックが開催される2020年3月期には、連結売上高1000億円の達成を目指している。」(久世健吉社長)と今後の目標を語った。
強力な営業力で、10%を超える売上を伸ばしたものの、販管費が大幅に伸びたことで、第2四半期は赤字決算となったが、問題解消へ向けて、積極的に注力し、既に成果が出始めているため、今後の収益の改善が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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