三井物産、北海道苫小牧市で木質バイオマス発電事業 イワクラ、住友林業、北海道ガスと新会社設立

2014年10月24日 18:32

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三井物産が所有する北海道似湾山林(同社発表資料より)

三井物産が所有する北海道似湾山林(同社発表資料より)[写真拡大]

  • 林地内で加工されたウッドチップ(同社発表資料より)

 三井物産は24日、イワクラ(北海道苫小牧市)、住友林業、北海道ガスと共同で北海道苫小牧市で木質バイオマス発電事業を推進すると発表した。同日、4社による新会社設立協定を締結した。

 同事業は、苫小牧市晴海町に発電規模約5.8MW(5800万kW)の発電設備を建設し、再生可能エネルギー固定価格買取制度を利用して発電事業を行う。発電設備は2015年5月に着工し、2016年12月の稼働を予定している。年間発電量は約4000万kWhで、一般家庭約1万世帯分の年間電力消費量に相当する。

 新会社は、資本金4億9900万円で、三井物産40%、イワクラ、住友林業、北海道ガスがそれぞれ20%の出資比率である。

 燃料となる木材チップは、北海道における林地の未利用木材である間伐材や林地残材を100%利用する計画である。発電事業の開始に伴い、新たに年間約6万トンの木材需要が発生する見込み。それによって、森林環境の整備が促進され、北海道における林業振興にも貢献できると見られる。さらに、雇用の創出により、地域の活性化が期待できるとしている。

 三井物産は、全国に社有林「三井物産の森」を約4万4000ヘクタールを保有し、「公益性の高い資産」として、長年、環境保全活動を続けている。社有林のうち、約8割に当たる約3万5000ヘクタールは北海道にあり、バイオマス発電事業に伴い、社有林からも未利用木材を新会社に供給する予定である。

 同社は今後、北海道内の企業や自治体と、更なるネットワークを構築するとともに、木質バイオマス発電事業のノウハウを活かし、新規エネルギー事業の発掘により、エネルギーの安定供給に貢献していきたいとしている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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