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「患者にワクチンを与えられない」、エボラワクチン開発の苦悩
taraiok 曰く、 現在世界各地で感染者が確認されているエボラ出血熱に対し、新薬の開発が進められている。たとえばエボラウイルス用に開発されたワクチンは、ウイルスの増殖を防ぎ、蔓延を抑える効果があると考えられている。このワクチンの有効性試験は数か月以内に西アフリカで開始される予定だ。しかし、その過程において医療関係者にとって困難な決定が強制される。エボラ出血熱は致死率が高いが、その効果を確認するためには、「偽薬を用いて実際には投与しない」という対照実験が必要になるのだ(American Association for the Advancement of Science、NY Mag、Slashdot)。
ワクチンが本当に有効であるかを調べるには、感染者のうち半分には試薬を投与し、もう半分には偽薬を投与するという対照実験が用いられる。これにより、ワクチンが本当に機能するか、また副作用がないかなどを知ることができる。だが、ジュネーブで行われたWHOのエボラワクチンに関する会議は緊張に包まれた。多くの研究者が、発症してからの死亡率の高いエボラウイルスに関して言えば、この手法は非倫理的であると感じていたからだ。
主な代替手段としては、導入時期をずらして順次適用していくstep-wedgeと呼ばれる手法が考えられている。しかし、この場合もすべての人に同じ日にワクチンを与えることはできない。
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