中小型株は日経平均以上に需給懸念を窺わせる下げ【クロージング】

2014年10月9日 16:59

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記事提供元:フィスコ


*16:59JST 中小型株は日経平均以上に需給懸念を窺わせる下げ【クロージング】

9日の日経平均は3日続落となり、117.05円安の15478.93円(出来高概算22億7000万株)と、終値ベースでは9月1日以来の15500円を割り込んで取引を終えた。8日の米国市場では、FOMC議事録を受けて早期利上げ懸念が後退し、NYダウは270ドルを超える上昇をみせた。シカゴ先物は大阪比75円高の15695円となり、これにサヤ寄せする格好から買いが先行した。また、寄り付き前に発表された8月の機械受注統計では、前月比4.7%増と、市場予想の1.0%増を大幅に上回ったことも材料視されている。

ただし、寄り付き直後に15732.32円と15700円を回復する局面をみせたが、その後は戻り待ちの売りに押される格好。為替市場では1ドル107円台に突入するなか、じりじりと値を消す格好となった。日経平均を下支えしていたファーストリテ<9983>は伸び悩み、ソフトバンク<9984>は下げに転じてしまっている。セクターでは水産農林のみがプラスをキープし、建設、金属製品は2%を超える下げとなった。

日経平均はファーストリテの効果もあり、15500円処での攻防だったが、それ以上に弱さが感じられたのが、中小型株であった。規模別指数では小型株指数の弱さが目立ったほか、個別でも主力処が後場一段安となっている。足元で強い動きをみせていた材料系の銘柄なども利益確定の流れが強まっており、日経平均以上に需給懸念を窺わせる下げとなっている。

NYダウの270ドル超の上昇に連動することができない状況下、海外ファンドによる日本株外しとの見方にもつながりそうである。もっとも、大きく下げている銘柄などは足元で強い動きをみせていたこともあり、当然の一服だろうが、押し目狙いのスタンスには慎重になりそうだ。《KO》

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