凸版印刷、紙と樹脂素材を複合したバイオマスプラスチック成型品を開発

2014年10月6日 17:21

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凸版印刷が開発した紙と樹脂素材を複合したプラスチック成型品のサンプル© Toppan Printing Co., Ltd.

凸版印刷が開発した紙と樹脂素材を複合したプラスチック成型品のサンプル© Toppan Printing Co., Ltd.[写真拡大]

 凸版印刷は6日、紙と樹脂素材を複合したバイオマスプラスチックによる、環境配慮型のプラスチック成型品を開発したと発表した。当面、ボトルキャップや計量スプーンなどのトイレタリー製品用パーツや、ネジや保護カバーなどの産業製品用パーツ向けに、2015年1月から販売開始の予定である。

 開発したプラスチック成型品は、粉末化した紙素材と樹脂素材(ポリプロピレン)とを混ぜ合わせることで、従来の石油由来プラスチックの使用量を最大3割削減した。紙素材には、バージン紙はもちろん、企業が製造段階で排出する廃棄紙を使用することもできる。今回のバイオマスプラスチック成型品は、同社で排出した廃棄紙を原料として量産化技術を確立し、開発した。廃棄紙を使ったプラスチック成型品は印刷業界では初めてである。

 同製品は、企業の廃棄紙を循環利用できるため、資源節約や環境保護に役立つだけでなく、素材に紙を複合しているため、従来のプラスチック製品に比べ、耐熱性や剛性が向上した。そのため、製品のゆがみやそりを軽減できる上、光沢感のない、素材独特の風合いを出せる特徴がある。

 販売価格については、新素材でありながら、従来のプラスチック成型品と同等の価格を実現した。同社では、バイオマスプラスチック成型品の売上高として、2016年度には、関連受注を含め、約5億円を目指している。今後、企業から排出されるその他の廃棄物についても同様の素材開発を進め、環境に配慮した製品の開発を進めていきたいとしている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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