川崎重工、シンガポールの地下鉄新線向けに364両の製造を受注

　川崎重工業は29日、シンガポール法人のKawasaki Heavy Industries (Singapore) （KHI-SIN）と中国の南車青島四方機車車両（南車四方）の3社共同で、シンガポール陸上交通庁から地下鉄車両91編成364両の製造を受注したと発表した。受注金額は約600億円で、2018年から2021年にかけて納入する予定。

　新型車両は、南北に点在する住宅地域および東部地区とシンガポール中心部を結ぶ新設のトムソン線と東地区線向けに導入される。車両は4両編成で、1両当たりの大きさは長さ23.6×幅3.2×高さ3.7（m）。従来車よりも多い片側あたり5扉となる。

　材質はアルミ合金製。電源・電圧は直流750Vで、線路の横に設けられたレールから電気を取り込む第三軌条方式を使用する。最高速度は従来車よりも速い時速100㎞。最新の列車情報システムを使った無人運転で走行する。

　南車四方は、同社と1985年以来の協力関係にあり、これまでに中国やシンガポールなどで共同受注を行ってきたという。今回の車両製造にあたっては、同社がプロジェクト全体の統括、設計、台車や主要機器の供給を行い、南車四方が完成車両の製作、工場での試験、信号、通信などとのシステム検証試験を行う。また、KHI-SINが車両基地への搬入、納入整備、現地試験を担当する。（記事：松本 茂樹・記事一覧を見る）