世界最高速エレベーターを開発した日立は中国で受注増を目指す

2014年4月22日 15:09

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記事提供元:フィスコ


*15:09JST 世界最高速エレベーターを開発した日立は中国で受注増を目指す
日立製作所<6501>と日立電梯有限公司は21日、2016年全面開業予定の中国・広州市の111階建て超高層複合ビル「広州周大福金融中心」(地上530メートル)に世界最速となるエレベーターを2基納入すると発表した。21人乗り、最高時速72キロ(分速1200メートル)で、地上1階から95階(440メートル)まで約43秒で到達する。速度を上げるため、巻き上げる力が従来に比べ3割強い新型の永久磁石モーターを開発し、かごを引くロープの強度を高めるとともにロープ径を縮小し、重量を約3割軽量化。大容量モーターの出力を制御するために、昇降機用として世界最大級の容量を持つインバーターを搭載しながら、制御盤の省スペース化を実現した。また、安全停止を実現する耐熱性に優れた制動材を採用したブレーキ装置や1台で上昇時と下降時で異なる定格速度に対応可能調速機を用いるとともに、横揺れ防止や急激な気圧の変化によって起こる耳閉感緩和のための日立独自の気圧制御方式を採用。世界最高の速度を生み出す駆動・制御技術に加え、安全・快適な走行を支える技術を適用することで、高速走行でも快適な乗り心地を実現する。このほか、28台のダブルデッキエレベーターや、13台の分速210~600メートルの超高速エレベーターなど計95台が納入される。一般的なマンションのエレベーターが分速30~60メートル、東京スカイツリーのエレベーターの最大速度が分速600メートルということを考えてもどれだけ早いか想像がつくだろう。現時点で実際に稼働しているエレベーターでは台湾の101階建てビルの東芝エレベータ製が分速1010メートル、建設中のものでは中国の上海中心大厦の三菱電機<6503>製が分速1080メートルで最速というが、今回の日立製はこれをも大きく上回る。日立は1968年に当時の国内最高速となる分速300メートルのエレベーターを開発し、日本初の超高層ビル「霞が関ビル」に納入するなど、建築物の高層化・大規模化に対応した製品開発を率先して行ってきている。中国では近年超高層ビルの建設が相次いでいる。エレベーター市場の世界需要の約6割を占める同国で、12年度の中国でのシェア(台数ベース)が15%で第2位だった日立は、高速化と安全性の両立を図り技術力の高さをアピールしてより一層の受注増を目指す。《YU》

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