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大日本住友製薬と武田薬品工業が欧州で統合失調症の新治療薬を発売
欧州では、統合失調症の患者が約350万人いると言われている。統合失調症の症状は多岐にわたり、幻覚、現実歪曲、抑うつ、および引きこもりなどがある。また、平均余命を10~22.5年短縮するという。これは体重増加、血圧上昇および血糖値上昇などの抗精神病薬による副作用が一因とされている。今回、日本の薬品がこの状況に一役買う。
大日本住友製薬<4506>と武田薬品工業は31日、非定型抗精神病薬「LATUDA」(一般名、ルラシドン塩酸塩)(ラツーダ」)について、3月21日(現地時間)付けで、欧州委員会(EC)より、成人における1日1回経口投与の統合失調症治療剤として欧州での販売許可を取得したと発表した。
今回の販売許可取得は、プラセボおよび他の非定型抗精神病薬を用いたラツーダの包括的な8本の臨床試験プログラムの成績に基づいている。今回の審査には、50本以上の臨床試験、および4500例以上のラツーダ投与患者のデータが含まれている。
ラツーダ投与群では、急性期の統合失調症患者の陽性症状および陰性症状に対する有効性が示された。長期にわたる治療が必要な統合失調症の患者にとって、副作用を最小限に抑えることは極めて重要だ。新薬は短期および長期臨床試験において、ラツーダ投与群では、症状改善が見られ、代謝系への影響も限定的だった。
また、統合失調症患者を対象としたいくつかの主要な試験での主要有効性評価項目において、ラツーダは投与4日目からプラセボと比較し有意な改善を示した。ラツーダ投与群で認められた主な有害事象(発現率が5%以上かつ、発現頻度がプラセボ投与群の 2 倍以上のもの)は、眠気、アカシジア、悪心、パーキンソニズムおよびジストニアだったという。
これらの臨床試験において、ラツーダ投与群では総じて良好な忍容性が示され、体重、脂質や血糖値への影響も限定的であることが示された。12ヶ月間の治療においてリスペリドン治療の患者において平均体重、BMIが増加した一方で、ラツーダ投与群では明らかな減少が確認された。
ラツーダは、英国では大日本住友製薬の欧州子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・ヨーロッパ・リミテッドが、その他各国では武田薬品の欧州子会社が販売する予定だ。(編集担当:慶尾六郎)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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