トヨタ、ハイブリッド・レーシングカー「TS040 HYBRID」を発表

2014年3月28日 13:03

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トヨタの新型ハイブリッド・レーシングカー「TS040 HYBRID」

トヨタの新型ハイブリッド・レーシングカー「TS040 HYBRID」[写真拡大]

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 27日、トヨタは2014年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)を戦う新型ハイブリッド・レーシングカーTS040 HYBRIDを発表した。

 この車両は自然吸気のV型8気筒3.7ℓガソリンエンジンによる520馬力に、ハイブリッド・パワーによる480馬力が加えられ、1000馬力が4輪で駆動するハイブリッド・レーシングカーだ。このマシンを駆る2組のドライバーの編成は1組目がアレックス・ブルツ、ステファン・サラザンと中嶋一貴。2組目がアンソニー・デビッドソン、ニコラス・ラピエールとセバスチャン・ブエミである。

 この新たなトヨタ・ハイブリッド・システム・レーシング(THS-R)は、特に燃料消費量を規制するWEC新技術規則に合わせて開発された。また、動力系統や空力、ドライビングスタイルも多岐にわたって見直され、燃料消費量は2013年シーズンのレース車両・TS030に比べて25%の削減を目標としている。

 今シーズンは流量計により燃料の消費量がモニターされ、レース中に3ラップの平均燃料消費量が規定を上回った場合には、ペナルティが科せられる。1ラップあたりの燃料消費量は、各チームの申告したハイブリッド使用率によって決まるが、同社はル・マン1ラップあたり6MJ(回生ブレーキの回生量)のハイブリッドシステムを採用する。

 車両の減速時にはモーターを兼ねる発電機(モーター・ジェネレーター・ユニット:略称MGU)と従来型ブレーキの組合せにより減速すると共に、MGUにより回生されたエネルギーはインバータを介してスーパーキャパシタに蓄えられる。一方、加速時には、回生エネルギーが逆方向に移動し、前後のMGUから、合計で480馬力のパワーアシストが得られる。

 既に、昨シーズンのレース車両であるTS030 HYBRIDの開発で得られた技術は、同社の市販ハイブリッド車へ活かされている。このようにWECでの技術開発は市販車に直結しており、サーキットから一般道へと技術が今回の車両でもフィードバックされる予定だ。

 2014年FIA世界耐久選手権 スケジュールは以下の通り。

第1戦 4月20日 シルバーストーン6時間(イギリス)
第2戦 5月3日 スパ・フランコルシャン6時間(ベルギー)
第3戦 6月14日 ル・マン24時間(フランス)
第4戦 9月20日 サーキット・オブ・ジ・アメリカ6時間(アメリカ)
第5戦 10月12日 富士6時間(日本)第6戦 11月2日 上海6時間(中国)
第7戦 11月15日 バーレーン6時間(バーレーン)
第8戦 11月30日 サンパウロ6時間(ブラジル)
(記事:松平智敬・記事一覧を見る

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