米国株式市場見通し:クリスマス休暇で閑散取引、量的緩和の縮小は織り込み済み

2013年12月21日 19:33

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記事提供元:フィスコ


*19:33JST 米国株式市場見通し:クリスマス休暇で閑散取引、量的緩和の縮小は織り込み済み

週初はユーロ圏の製造業指数が上振れ欧州株式相場が堅調推移となった流れを受け、買いが先行。11月鉱工業生産や設備稼働率が予想を上回ったことも好感され、堅調推移となった。その後は週半ばにFOMC(連邦公開市場委員会)を控えて上値も限られ、小幅な値動きとなった。FOMCでは量的緩和縮小を決定、来年1月から資産買入れ規模を月々100億ドル減額し750億ドルとすることが発表された。量的緩和縮小の可能性が既に大きく報じられていた上に、声明文やその後のバーナンキFRB議長の会見で、長期に渡って緩和的な金融政策を維持する見通しが示されたことが好感され、株価は一段高となった。その後はFOMCの結果発表を受けた買いが一巡したことや、11月中古住宅販売件数が予想を下回ったことで上値の重い展開となった。週末にかけては7−9月GDP確定値が4.1%と、3.6%の改定値から大幅に上方修正されたことが好感され堅調推移となった。週を通じて主要株式指数は上昇し、ダウ平均株価は過去最高値を更新した。

ソフトウェアのオラクルやITコンサルティングのアクセンチュアが予想を上回る決算を発表して上昇。航空機メーカーのボーイングや化学製品などのスリーエムは増配や自社株買いを相次いで発表し堅調推移となった。保険のAIGは航空機リース事業をオランダのエアキャップ社に売却することを明らかにして上昇。一方でディスカウントストアのターゲットは年末商戦に強気の見方を示し上昇したものの、クレジットカード情報が大量に流出した可能性が報じられ反落。携帯端末メーカーのアップルはチャイナ・モバイルによるiPhone取り扱いの発表が遅れていることが嫌気されて軟調推移となった。自動車のフォードは2014年に慎重な利益見通しを示したことで下落。

25日がクリスマスで米国株式市場が休場となる為、投資家や市場関係者の多くも休暇に入ることから週を通じて閑散取引となることが予想される。

先週のFOMCでこれまで投資家の懸念材料となっていた量的緩和の縮小が決定されたが、その後、株価は堅調推移となっている。量的緩和縮小の可能性が事前から大きく報道されており、投資家の多くも織り込み済みであったことが一因だ。また、縮小を来年1月以降に先延ばした場合よりも、小規模で縮小に着手し、長期金利への影響が限定的であることを早期に確認できたことが好感されているようだ。先延ばしされていれば、逆に米国経済の回復が弱いとFOMCが判断したと解釈される可能性があったほか、次回のFOMCまで再び量的緩和縮小への警戒感が根強く残る懸念もあった。財政協議も合意に達しており、来年初めからの政府部門閉鎖は回避されており、株式相場の先行きには楽観的な見方が広がりつつある。

株式相場は年初から約30%の上昇となっているが、米国企業の利益成長は5%弱にとどまっている。つまり、株価上昇の多くは株価収益率などに代表される株価水準の見直し、または投資家が楽観的になっていることが主因と解釈できる。一部にはバブルを指摘する見方もあるもの、2014年の企業利益は約10%の成長が見込まれているほか、予想ベースの株価収益率は16倍で長期的な平均水準である。まだまだバブルというには程遠い状況である。

経済指標では11月個人所得・個人支出(23日)や11月耐久財受注(24日)、11月新築住宅販売(24日)などの発表が予定されている。新築住宅販売は、先週発表された中古住宅販売が予想を下回ったこともあり、10月の連邦政府機関閉鎖や住宅ローン金利上昇の影響が懸念される。《TN》

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