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新興市場見通し:短期的には過熱警戒感も強まり、反動安への懸念も
*17:23JST 新興市場見通し:短期的には過熱警戒感も強まり、反動安への懸念も
先週(12/2-6)の新興市場は、海外株安など外部環境の悪化を背景に主力株の上値が重くなる中、値動きの軽さを妙味に短期資金の関心が集まる格好となった。とりわけ、主力のネット関連株がけん引役となって、マザーズ市場の強い動きが目立った。直近IPO関連やバイオ関連なども循環物色の対象とされる。マザーズ市場の売買代金は、5日には今年の最大水準を記録している。なお、週間の騰落率は、日経平均が-2.3%であったのに対して、マザーズ指数は+5.3%、日経ジャスダック平均は+0.3%だった。
個別では、前週に続いてミクシィ<2121>が急伸、引き続き、「モンスターストライク」への期待感が優勢に。つれて、ガンホー<3765>やコロプラ<3668>など主力のゲーム関連株も連れ高へ。同関連では、ケイブ<3760>、ガーラ<4777>なども連日で大幅高の展開。アドウェイズ<2489>は週初に全市場での売買代金トップを記録、LINE関連としての関心が続く格好となっている。iPS細胞研究所によるiPS細胞備蓄計画が伝わったこと、関連銘柄のIPO接近などで、ペプチドリーム<4587>やタカラバイオ<4974>、リプロセル<4978>などバイオ関連が賑わう場面も見られた。メディアドゥ<3678>、M&Aキャピタル<6080>など直近IPO銘柄が一時買われる局面もあった。ほか、シナジーM<3859>はホットリンク<3680>のIPO接近が期待材料視されたほか、アプリックスIP<3727>は「ブルートゥース」の送受信用複合部品の増産が伝わったことが買い材料に。一方、メイコー<6787>は公募増資の実施が悪材料視され、Bガレージ<3180>は業績下方修正が嫌気される。
今週(12/9-13)の新興市場は、短期的な過熱感の反動も警戒されるところ。12月相場は個人投資家を中心とした中小型株の物色が強まりやすいものの、とりわけ、足元では一部銘柄に過熱警戒感が強まっており、反動安による影響の波及は懸念される。とりわけ、ゲーム関連株高を引っ張ってきたミクシィ<2121>だが、ここ3週間での上昇率は5倍強、時価総額も1000億円に達し、達成感なども強まりやすいとみられる。IPO市場は依然として好調だが、初値上昇率はピークアウト傾向となっており、今後のIPOラッシュに対しては警戒感が強まっていくことも想定される。年末に向けて、あらためて証券優遇税制の廃止に伴う換金売り圧力が強まる余地も残ろう。前週末は、米雇用統計の上振れにも関わらず、米国株高、円安の流れが鮮明化しており、主力大型株に資金がシフトしていく可能性も高い。
個別では、為替の円安を手掛かりとして、輸出関連株に資金がシフトする流れも想定したい。規制緩和でインフラ整備に個人資金活用との報道から、再生エネ関連やインフラ投資関連にも関心。機械受注やオフィス空室率の発表を受けて、設備投資関連や不動産関連にも動意の可能性は残る。一方、相対的に初値が抑えられた直近IPO銘柄の見直しにも注目だが、今週もマザーズ市場に5社のIPOが予定されているため、資金は回りにくいとみられる。
今週は、9日にホットリンク<3680>、10日にブイキューブ<3681>、11日にエンカレッジ・テクノロジ<3682>、オウチーノ<6084>、13日に日本アクア<1429>の5社がマザーズ市場に新規上場する。アライドアーキテクツ<6081>、ライドオン・エクスプレス<6082>などの初値示現後の軟調な動きから、過度な期待感は低下の公算だが、なかでは、ホットリンク、ブイキューブに関心が集まろう。《FA》
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