NYの視点:12月米QE縮小のシナリオ

2013年11月13日 07:02

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記事提供元:フィスコ


*07:03JST NYの視点:12月米QE縮小のシナリオ

良好な米10月雇用統計にもかかわらず、米連邦準備制度理事会(FRB)が資産購入策に踏み切るのは「2014年度に入ってから」と慎重な見方が目立つ。ただ、ロックハート・アトランタ連銀総裁は「12月の連邦公開市場委員会(FOMC)でQE縮小開始を決定する可能性は十分にある」「QE縮小はFOMC会合で選択肢となるべき」と、12月FOMCで米FRBがQE縮小開始を決定する可能性をほのめかした。同総裁は2013年度は投票権を持っていないが通常はハト派として知られる。また、「FRBは引き締めを伴わずに手段の組み合わせを変更させることが可能」と言及。

上記発言は、FRBの金融政策において最も影響力があるといわれるFRBのエコノミスト、ウィリム・イングリッシュ金融政策副局長と、デービッド・ウィルコックス調査・統計部長が提示した案「これ以上の資産購入がコストと効力の均衡において疑問が残るためQE縮小に踏み切ると同時に、緩和策を維持するため利上げの目安となるフォワードガイダンスで失業率規準を現在の6.5%から最低で5.5%引き下げる必要性がある」に一致している。さらに、12月FOMCでのQE縮小の確率が高いと考える理由として以下が挙げられる。

1)バーナンキ米FRB議長にとり最後のFOMCであること
2)バーナンキ米FRB議長がメンター(良き指導者)として信頼しているといわれるイスラエル中銀のフィッシャー前総裁がバーナンキ米議長に12月の会合でのQE縮小を推奨したこと

このため、米FRBが緩和策を長期にわたり維持する可能性は強いもののコストを考慮し12月FOMCで量的緩和第3弾(QE3)の縮小に踏み切るかわりにフォワードガイダンスを強化。失業率規準を現行の6.5%から6.0%近辺へ引き下げる確率は高いと考える。

緩和策を続ける他の選択肢として、キャンターフィッジェラルドは、各月100億ドル規模の米国債購入の縮小と同時に100億ドルのオペレーションツイスト(長期金利を下げるための措置、長期物の証券を購入すると同時に短期物の証券を売却する策、FRBは2011年の9月から2012年の6月まで導入)を実施することができると指摘。資産購入をオペレーションツイストに移行することで金利の上昇をコントロールできると見ている。過去にオペレーションツイストを実施していた間、FRBのバランスシートは2.8兆ドルで横ばい、10年債利回りは15ヶ月間あまり1.9%前後で狭いレンジでの推移にとどまった。

また、ドイツ銀のエコノミストが指摘しているように、12月6日に米国労働省が発表する11月雇用統計が10月と同様の改善を示した場合、12月のQE縮小の確率が一層上昇する。同氏は、同時にFRBが失業率規準の引き下げと新たにインフレ規準の下限を設定すると見ている。米国の金利変動幅が制限されることはドルの変動も限られることになる。《KO》

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