【編集長の視点】福田組は一気に高値更新、業績上方修正に期末配当増配が加わり割安修正

2013年11月12日 10:58

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<銘柄ウオッチ>

  福田組 <1899> は12日、寄り付きの買い気配から78円高の482円まで買い上げられて3営業日続伸、1月7日につけた年初来高値433円を一気に更新している。前日11日大引け後に今12月期第3四半期(3Q)決算の開示とともに、12月通期業績の上方修正と期末配当の増配を発表、経常利益が、期初の減益転換予想から増益に変わり連続増益率を伸ばすことを手掛かり材料に割安株買いが増勢となっている。きょう12日後場取引時間中に今3月期第2四半期累計決算の発表を予定しているゼネコン株各社が、大林組 <1802> に業績下ぶれ着地が観測報道されたことが響き軒並み安で始まっていることに逆行高している。

■期初の減益転換予想が連続増益と高変化

  12月通期業績は、期初予想より売り上げを200億円、経常利益を10億円、純利益を4億円それぞれ引き上げ、経常利益は、33億円(前期比13%増)と続伸し、純利益は、24億円(同12%減)と減益転換率を縮める。建設受注高が計画を上回って工事施工も順調に推移、3Q施工高が、前年同期より103億円余増加して869億円余と伸び、利益も、増収効果に加えて工事採算改善による完成工事総利益率が向上したことが要因となった。なお純利益は、持分法適用の関連会社株式を譲渡し、単独業績では特別利益を計上するが、連結業績では特別損失を計上するため、減益転換率の縮小にとどまる。

  配当は、前期期末に創立110周年の記念配当1円を加えて4円(前々期配当は3円)と増配し、今期は、期初に記念配当を廃して3円と予想していたが、業績上方修正に伴い5円に増配する。

■高値更新もなおPERは9倍台、PBRは0.7倍と割安

  株価は、前期業績の上方修正や「アベノミクス相場」のインフラ関連人気をテコに買い進まれた年初来高値から、今期業績の減益転換予想で同安値272円まで調整、今期第2四半期累計業績の続伸着地で300円台に乗せ、北陸新幹線関連株人気の波及でストップ高を交えて400円台を回復、高値調整を続けてきた。PERは9倍台、PBRは0.7倍と割安となり、高値抜けとなったここからは、2007年7月高値630円が次の上値フシとして意識されよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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