NYの視点:世界経済への警告

2013年10月25日 07:02

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記事提供元:フィスコ


*07:02JST NYの視点:世界経済への警告

世界経済への安心感がいったん広がっている。バークレイズ銀行は米国7-9月期の国内総生産(GDP)見通しを当初の年率1.8%増から1.9%増へ上方修正した。貿易赤字の改善をプラス材料として挙げた。米国商務省は7月の米国貿易赤字を391億ドルから386億ドルへ修正。8月の貿易赤字は388億ドルに拡大したものの市場予想平均の394億ドルを下回った。また、民間HSBCが発表した中国の10月製造業PMI速報は50.9と、市場予想の50.4を上回った。この結果は、中国の景気回復が10-12月期も続いている証拠だとの期待も広がった。

しかし、油断は禁物だ。回復の失速に加えて米国製造業の回復にかげりが見られる。金融情報のマークイット社が発表した10月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は51.1と、市場予想の52.5を下回り9月の52.8から低下し1年ぶりの低水準となった。同指数は600以上の米国の製造企業を対象に実施した調査で85-90%の回答をもとに作成されたもの。50は活動の拡大と縮小の境目を示す。最も重要な項目である新規受注指数は6カ月ぶりの低水準になったほか、生産指数は政府機関閉鎖の影響もあるのか9月の55.3から49.5に落ち込み景気後退時の2009年以来で初めて50を割り込み活動の縮小を示した。この結果から、製造業の鈍化が今後も続くとの悲観的見方が強まっている。

さらに、中国や世界の景気動向をはかる上で注目されるバルチック海運指数は最近のピークから20%急落。船数に需要が十分に追いついていないことが示されている。同指数はロンドンのバルチック海運取引所が発表する外航不定期船の運賃指数。バルチック海運取引所は海運会社やブローカーなどから鉄鉱石・石炭・穀物といった乾貨物を運搬する外航不定期船の運賃を聞き取り、結果を取りまとめて指数を算出する。中国人民銀行が金融引き締め方針に傾斜していることも世界経済の牽引役である中国の経済のリスクとなる。《KO》

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