欧米為替見通し:10月のテーパリング(量的緩和縮小)前の茶番劇

2013年9月24日 17:18

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記事提供元:フィスコ


*17:18JST 欧米為替見通し:10月のテーパリング(量的緩和縮小)前の茶番劇

本日24日の欧米市場のドル・円は、明日25日に予定されている米国議会での連邦政府債務上限引き上げ協議への警戒感から上げ渋る展開が予想される。

キャンター米下院共和党院内総務は、明日25日に、連邦政府債務上限を1年間引き上げ、オバマケア(医療保険制度改革)を1年間先送りする法案を審議して採決する、と述べた。

ネジレ状態で党派政治が横行している米国議会では、恒例行事となった連邦政府債務上限引き上げを巡る不毛な茶番劇が再開される。

「ラクダは、委員会によって設計された馬である」は、連邦公開市場委員会を揶揄する格言だが、米国の外交専門誌「フォーリンポリシー」に「無能な議会」と揶揄された米国議会もラバの設計に勤しんでいるのかもしれない。

おそらく、連邦政府債務上限の引き上げとオバマケア(医療保険制度改革)の先送り、というのが着地点だと思われるが、昨年同様に、年末の「財政の崖」へのチキンレースが繰り広げられる。

バーナンキFRB議長が、昨年秋に、量的緩和第3弾(QE3)を導入した理由は、米国議会での連邦政府債務上限引き上げ協議が難航し、年末に向けて「財政の崖」に突進するチキンレースの様相を呈しつつあったことで、金融面でのセーフティーネットの必要性にあった。

今年も、連邦政府債務上限引き上げ前の「テーパリング(量的緩和縮小)」を回避している。

予定通りに着地点に到達した後、米国9月の雇用統計が改善していた場合、10月29-30日の連邦公開市場委員会(FOMC)でのOctaper(October+taper):10月のテーパリング(量的緩和縮小)への思惑が市場のテーマとなるのかもしれない。

【今日の欧米市場の予定】

21:30 カナダ・7月小売売上高(前月比予想:+0.6%、6月:-0.6%)
22:00 米・7月S&Pケース・シラー住宅価格指数(前年比予想:+12.40%、6月:+12.07%)
22:00 米・7月住宅価格指数(連邦住宅金融局)(前月比予想:+0.8%、6月:+0.7%)
22:30 ピアナルト米クリーブランド連銀総裁講演
23:00 米・9月消費者信頼感指数(予想:80.0、8月:81.5)
23:00 米・9月リッチモンド連銀製造業指数(予想:12、8月:14)
02:00 米財務省2年債入札(330億ドル)《KO》

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