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新興市場見通し:リバウンド継続か、マザーズ売買代金は連日で1000億円超え
*14:11JST 新興市場見通し:リバウンド継続か、マザーズ売買代金は連日で1000億円超え
先週の新興市場は、個人投資家のマインド向上が支援材料となり、上値を試す展開となった。東京オリンピックの開催が決定以降は投資意欲が旺盛となっているほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和の縮小が見送られたことも、リスクオンムードにつながった。とりわけ、時価総額の大きいバイオ関連株が指数の上昇を牽引し、先週末までマザーズ指数は7日続伸、日経ジャスダック平均は9日続伸となるなど、リバウンド基調が強まった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.3%であったのに対して、マザーズ指数は+8.0%、日経ジャスダック平均は+3.4%だった。
個別では、タカラバイオ<4974>やペプチドリーム<4587>、ナノキャリア<4571>、そーせい<4565>など、マザーズ市場の時価総額上位のバイオ関連が軒並み強含んだ。また、コロプラ<3668>は、スマホ専用クイズ&カードバトルRPG「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」の好調が材料視され大幅高となり、マザーズ市場の時価総額トップに踊り出た。その他、好決算を発表したエニグモ<3665>やパピレス<3641>などの上昇が目立っていた。一方、ガンホー<3765>やクルーズ<2138>などゲーム関連は、「東京ゲームショウ2013」が開催された週後半に伸び悩む。また、13日に新規上場したサンワカンパニー<3187>は初値こそ公開価格の約3.7倍と人気化となったものの、初値形成後は換金売りが膨らみ大幅下落となった。
今週の新興市場は、中小型株に対する物色意欲の強さを背景に、リバウンド基調が継続する展開となりそうだ。米FOMCを通過し、世界的にリスクオンムードが高まる中で、個人投資家のリスクテイク姿勢が強まることが期待される。今週は国内外で重要イベントが少なく、手掛かり材料難となる可能性はあるものの、値動きの軽い中小型株に短期資金が向かう状況は続こう。とりわけ、マザーズ市場の売買代金は先週末にかけて連日で1000億円を超えるなど、東証1部市場と同様、売買に盛り上がりが見られている点も前向きに捉えられる。マザーズ指数の月間上昇率は約24%と短期的な過熱感が意識される可能性はあるものの、日経平均などと比較して株価位置としては相対的に出遅れ感が残るだろう。
個別では、バイオ関連やゲーム関連など、マザーズ市場の主力株への物色が継続することになりそうだ。とりわけ、バイオ関連については、学会シーズンで関心が高まる秋口から、昨年は山中教授のノーベル賞受賞も重なり、年末の中小型株ラリーまで賑わった経緯がある。医療研究の司令塔「日本版NIH(国立衛生研究所)」の創設など、成長戦略の一環として医療やバイオ関連には中長期的な視点で資金が向かうことも予想される。
その他、ネット関連などへの見直しも期待される。ガンホー<3765>を中心にゲーム関連は上値の重さが意識されている一方、先週末は楽天<4755>が年初来高値を更新するなど、ネット通販など消費関連のネット系企業には物色が続くことになりそうだ。なお、今週のIPO銘柄では、25日にエンビプロHD<5698>が東証2部市場に上場する。東証2部案件はやや盛り上がりに欠けるスタートとなる傾向があるものの、IPO市場の活況を追い風に穏便な初値形成となろう。《TN》
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