米国株式市場見通し:iPhone販売動向に注目、連銀の金融政策には不透明感

2013年9月21日 14:13

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記事提供元:フィスコ


*14:13JST 米国株式市場見通し:iPhone販売動向に注目、連銀の金融政策には不透明感

バーナンキFRB議長の後任人事で、ローレンス・サマーズ元財務次官が候補から辞退することを表明。イエレン副議長が後任となることが有力視されており、量的緩和など大筋で現在の金融政策が引き継がれるとの期待感から、週初から買いが先行した。その後は、週半ばに予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を見極めたいとの思惑から、やや上値の重い展開となった。注目のFOMCでは大方の予想に反して量的緩和の縮小が見送られたことで急騰、ダウ平均株価や大型株で構成されるS&P500指数は過去最高値を更新した。週後半になると新規失業保険申請数が予想よりも少なかったことが好感されたものの、連銀が量的緩和縮小に着手しなかった結果をどう解釈するべきか投資家の間でも意見が分かれており、株式相場も揉み合う展開となった。週末にかけてはセントルイス連銀のブラード総裁が、量的緩和縮小を見送ったのは「ぎりぎりの判断」であったとコメントし、10月のFOMCで縮小に着手する可能性を示唆したことで下落する展開となった。また20日の引け後にダウ平均構成銘柄の入れ替えが行われることも売り圧力となったようだ。結局、週を通じて主要株式指数は上昇。

アップルは携帯端末向け基本ソフト「iOS 7」を18日に公開、20日からiPhone新型2機種の発売を開始し、堅調推移となった。ソフトウェアのアドビ・システムズは、決算が予想を下回る内容となったものの、月額制サービスの契約者数が急増していることが明らかとなり上昇。運輸のフェデックスは好決算を発表して堅調推移となった。一方でFOMCの結果を受けた長期金利の低下で、メットライフなど生命保険各社が軟調推移。家具・インテリア用品小売のピア1インポーツは、決算が予想を下回り、通年の業績見通しも引き下げたことで下落した。

週初はアップルの新型iPhoneの販売台数の速報に注目が集まりそうだ。廉価版iPhoneと噂されていたiPhone 5cの性能や価格が、実質的にはiPhone 5の置き換えで、新興国市場を狙った商品ではなかったことや、iPhone 5cの予約状況が公表されなかったことを嫌気して、10日の製品発表イベント以降、先週初めまで株価は軟調推移となっていた。発売開始後3日間だけで少なくともiPhone 5発売時と同等の500万台以上のiPhone 5c及び5sが販売されたと見込まれている。株価は既にやや反発に転じているが、iPhoneの販売台数の公式発表を受けて一段高となる可能性もあるだろう。

FOMCを終えたことで量的緩和縮小に対する目先の懸念は後退したが、連銀の金融政策の予想が困難になったことで、連銀の市場との対話方針や今回の判断に疑問を呈する投資家も多く、投資家の不安心理や不透明感を高める結果ともなっている。現時点では来月のFOMCで量的緩和縮小に着手するとの見方が支配的だが、来月半ばに公開されるFOMC議事録の内容を見極めたいとの思惑が広がるだろう。

経済指標関連では7月ケース・シラー住宅価格指数(24日)、8月新築住宅販売件数(25日)など住宅関連の指標発表が相次いで予定されている。24日には住宅メーカーのKBホームやレナーの決算も予定されており、住宅市場の動向に注目が集まるだろう。FOMCの結果を受けて長期金利の上昇が一服していることもあり、住宅市場の見通しには楽観的な見方が広がりそうだ。

その他の個別企業では26日にスポーツ用品のナイキが決算発表を予定している。ナイキは今週からクレジットカードのビザと投資銀行のゴールドマン・サックスとともに、新たにダウ平均構成銘柄に加わる。週初はダウ平均に連動する投資信託やETFが新規3銘柄を組み込む動きから買い需要が期待できそうだ。《TN》

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