米緩和継続の傷あと:市場の強がり、議員の嘆き、次期FRB議長への圧力

2013年9月20日 09:36

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記事提供元:フィスコ


*09:36JST 米緩和継続の傷あと:市場の強がり、議員の嘆き、次期FRB議長への圧力
米連邦準備理事会(FRB)が17-18日に開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)では、大方の予想に反して毎月850億ドルの資産購入プログラムが現状のまま維持されました。

市場にとってはよほどの“サプライズ”だったようで、FOMCへの信頼性低下を指摘する意見が相次いでいます。例えば、ブラウン・ブラザーズは「FOMCへの信頼低下は実際の緩和縮小が市場にとって必要以上に痛みを伴うものになる可能性を意味する」と指摘。また、金融政策の先行きを示すフォワードガイダンスについても「一段と的外れな政策になるかもしれない」と述べています。

とはいえ、バーナンキ議長は緩和縮小に向けて具体的な必要条件を設定し、「その条件はまだ満たされていない」(ロバート・W・バード)との公正な意見も。緩和縮小の意思を表明した5月から米長期金利が急上昇しましたが、こうした利回りの調整を実現してしまったことが緩和継続の理由で、何らかの具体的な悪化があったからではないとの声も出ています。

市場参加者にとって、今回のFOMC決定は結果論からすると「外した」ことになり、マーケットの意見のすう勢が必ずしも正しいとは言えないことを意味するのかもしれません。ただ、視点は違いますが、量的緩和の継続には国会議員からも反発が相次いでおり、特に共和党議員の間で不満が高まっているようです。

問題視されているのは、FRBが量的緩和の“ドロ沼”から抜け出せないのではとの懸念。上院銀行委員会のメンバーであるマイク・クラポ共和党上院議員は19日、「(量的緩和という)プロセスが長期化すればするほど、その“スランプ”から抜け出すのが一段と困難になる」と発言。共和党のケビン・ブレイディ下院議員は「量的緩和はウォールストリートには恩恵をもたらすが、メインストリートの一般家庭の苦労は続いている」と非難しました。

ここで問題となるのが、次期FRB議長の筆頭候補であるイエレン副議長が、議長就任後にどういった対応を取るか。あるいは、その前にイエレン氏有力との市場観測を覆し、コーエン元FRB副議長が指名される可能性もあります。コーエン氏はFRBで非常に尊敬を集めている名士ですが、イエレン氏ほど市場は歓迎しないとの見方もあります。

(フィスコ・リサーチ・レポーター)《RS》

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