今日の為替市場ポイント:サマーズ氏のFRB議長指名見送りでドルの上値は重くなりそう

2013年9月16日 08:59

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記事提供元:フィスコ


*08:59JST 今日の為替市場ポイント:サマーズ氏のFRB議長指名見送りでドルの上値は重くなりそう
13日のドル・円相場は、東京市場では99円98銭から99円55銭で推移、欧米市場でドルは一時99円19銭まで下落し、99円39銭で取引を終えた。


本日16日のドル・円は、主に98円台後半で推移か。米国によるシリア攻撃は回避されるとの見方が広がっていること、連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長の最有力候補だったサマーズ元米財務長官が候補から外れたことでドルの上値は重くなりそうだ。


報道によると次期FRB議長の最有力候補とみられていたL・サマーズ元米財務長官は、次期FRB議長の指名争いから外れることになった。サマーズ氏がFRB議長に就任することを反対している議員は多いことから、サマーズ氏自身が「撤退」を決断したものとみられている。オバマ大統領の意中の人はサマーズ氏であるとの見方は多かったが、議員などからの厳しい批判にさらされることを嫌ったのではないか?との声が聞かれている。

サマーズ氏が次期FRB議長に指名されないことは決まったが、イエレン副議長が議長に指名されるかどうかは不明である。市場関係者の間では、次期FRB議長の選定は米国の債務上限引き上げ問題とリンクしているとの見方が存在している。債務上限引き上げについて議会側は妥協するが、次期FRB議長には議会側が望む人物が起用されるのではないか?との思惑が浮上している。

【テクニカル分析】
・長期支持線:月足72円13銭(358.44円-278.50円-263.65円)
・中期目標:110円66銭(2008年8月15日)

【ドル売り要因】
・米国のゼロ金利政策は長期化するとの思惑
・米国の債務上限引き上げ問題に対する懸念
・米雇用環境の急速な改善への期待後退

【ドル買い要因】
・日銀による量的・質的金融緩和は長期間継続へ
・日米の株高
・シリアへの軍事介入は回避される公算


ユーロ・ドルは、0.8228ドル(2000/10/26)から1.6040ドル(史上最高値2008/7/15)まで上昇後、1.1876ドルまで下落。その後、1.3710ドル(2013/2/1)まで戻したが、1.2750ドル(2013/3/27)まで下落した。

ユーロ・円は、88円93銭(2000/10/26)から169円97銭(最高値2008/7/23)まで上昇後、94円12銭(2012/7/24)まで下落し、133円82銭(2013/5/22)まで戻した。


本日のユーロ・円は、主に132円台前半で推移か。ドル・円相場が円高方向に振れており、ユーロの対円レートはやや伸び悩む可能性がある。

【ユーロ売り要因】
・欧州中央銀行(ECB)は低金利政策の長期化を示唆
・欧州諸国の債務問題に対する懸念消えず
・米長期金利の上昇

【ユーロ買い要因】
・ユーロ圏経済の良化期待
・主要国の株高
・米金融緩和策は長期化するとの思惑


[予想レンジ]
・ドル・円:98円50銭-99円50銭、ユーロ・円:131円80銭-132円80銭


[<国内>本日の為替関連スケジュール]
・敬老の日で休日(金融市場は休場)

[<海外>本日の為替関連スケジュール]
・17:00 ドラギECB総裁講演
・18:00 ユーロ圏・8月消費者物価指数確定値(前年比予想:+1.3%、7月:+1.3%)
・21:30 米・9月ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:9.00、8月:8.24)
・22:15 米・8月鉱工業生産指数(前月比予想:+0.5%、7月:0.0%)
・22:15 米・8月設備稼働率(予想:77.9%、7月:77.6%)《MK》

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