関連記事
国内株式市場見通し:成長戦略第2弾に向け、反発に備えたスタンス
*15:38JST 国内株式市場見通し:成長戦略第2弾に向け、反発に備えたスタンス
■日経平均は一時14100円を回復
先週(9/2-6)の日経平均は上昇。週初からリバウンド基調をみせた日経平均は、5日には一時14100円台を回復する局面をみせた。1日に発表された8月の中国製造業PMIが予想を上回り、中国景気の改善基調が続いているとの見方。また、財務省が2日発表した2013年4-6月期の法人企業統計では、設備投資額(ソフトウエアを含む)は全産業で前年比0.02%と3四半期ぶりにプラスに転じたことも買い手掛かりとなった。
その後も、米国では予想を上回る経済指標の発表が相次ぐなか、週末に予定されている8月雇用統計が強いものになるとの期待。シリアへの軍事介入が先送りされる格好となったことで、いったんリスクが後退したことも安心感につながった。物色については2020年夏季五輪開催地決定まで1週間に迫るなか、不動産、建設などの関連銘柄に海外勢とみられる資金が流入した。
ただ、週末には円相場が1ドル100円台に乗せるなかで一段高が期待されたが、投信設定などの需給要因が通過したほか、これまで期待されていた五輪の東京招致への期待が、福島第一原発の汚染水問題によって後退するなか、利益確定の流れが強まる格好に。次第に、米雇用統計の結果を見極めたいとの様子見ムードが強まるなか、日経平均はじりじりと下げ幅を広げていた。
■米量的緩和縮小は織り込む、シリア情勢が重し
米雇用統計を受けた米国の反応のほか、五輪候補地の結果が判明することになり、仕切り直しの相場展開が期待される。雇用統計については予想を下回ったが、これが量的緩和縮小の時期を遅らせるとの見方につながり、6日のNYダウは一時15000ドルを回復している。ただ、シリア情勢への警戒が上値の重しとなるなか、高安まちまちに。もっとも、17、18日に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和縮小に踏み切るとの見方が依然として大勢であり、緩和縮小について市場は織り込み済み。
米国については緩和縮小の時期というよりも、シリア情勢の行方が変動要因となる。9日から米議会が再開されるが、上院は攻撃規模・期間の縮小で可決、下院では反対が多い。ロシアで行われたG20首脳会議でもロシアなど参加国の間の対立が鮮明化しており、即攻撃はなく、しばらくは小康状態といったところか。
■招致逃しても“縁がなかった”として切り替え
また、7日(日本時間8日未明)の2020年夏季五輪開催地が決定する。東京招致となれば、改めて五輪関連への物色が再燃するだろう。しかし、福島第一原発の汚染水問題がクローズアップされるなか、漏れ出した汚染水が地下水にまで到達したおそれがあるとの報道。タイミングを合わせるかのような、韓国による日本の水産物の一部輸入禁止など。週末の市場の値動きからは、東京招致は期待薄であろう。
東京招致となればサプライズ感があり、首都インフラ関連などへの物色が強まる。ただし、逃したとしても、“縁がなかった”として切り替えたいところ。関連銘柄にはショートポジションが積み上がる局面もみられそうだが、過去の経緯から想定された動きであり、冷静に対応したい。
一方、今後は成長戦略第2弾に向けた動きが進むなか、設備投資減税、補正予算審議、カジノ構想、法人減税などを手掛かりに押し目買いの流れが強まる可能性がある。9日には消費増税の判断に影響する4-6月の国内総生産(GDP 改定値)が発表される。民間設備投資の回復により、同成長率は上方修正される公算だ。今後の反発に備えたスタンスとして、設備投資関連やカジノ関連などへの押し目を狙うところだろう。《FA》
スポンサードリンク

