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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォコム株価は4ヶ月ぶりの20万円台に接近、割安顕著
ITソリューションやコンテンツ配信などのインフォコム <4348> (JQS)の株価は、調整が一巡して高値圏回帰の動きを強めている。
企業(BtoB市場)向けにITソリューション・サービスを提供するITサービス事業、一般消費者(BtoC市場)向けに各種デジタルコンテンツやEコマースを提供するネットビジネス事業を展開している。06年開始の電子書籍配信サービス「めちゃコミック」は、月間ユニークサイト来訪者500万人を突破して国内トップクラスの規模である。
重点事業領域として、電子書籍・音楽系コンテンツ・ゲーム配信などネットビジネス事業、医療機関・製薬企業向けヘルスケア事業、企業の業務効率化機能を充実した完全Web-ERPソフト「GRANDIT」事業を掲げ、M&Aや戦略的アライアンスも積極活用して、クラウドサービス関連、ソーシャルメディア関連、ビッグデータ領域におけるデータサイエンス関連、農業IT化関連、そして海外展開なども強化する方針だ。
今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比7.0%増の400億円、営業利益が同2.8%増の36億円、経常利益が同3.2%増の36億円、純利益が同5.8%増の22億円としている。研究開発費増加など中期成長に向けた先行投資負担で小幅営業増益にとどまるが、セグメント別にはITサービス事業がヘルスケアとGRANDITの業容拡大で同6.3%増収、ネットビジネス事業が電子書籍やソーシャルゲームの成長で同8.5%増収と好調に推移する見込みだ。
第4四半期(1月~3月)偏重の収益構造のため通期見通しに対する第1四半期(4月~6月)の進捗率は低水準だが、通期計画の達成は可能だろう。先行投資の効果が本格寄与する来期(15年3月期)以降は一段の収益拡大が期待される。
8月21日には、10月1日付で分社化するネットビジネス事業承継会社の社名をアムタスに決定したと発表した。8月26日には、電子書籍配信サービス「めちゃコミック」が、通信キャリア3社の公式メニューの掲載順位においてスマートフォン、ガラケーともに1位を独占した(8月19日現在)と発表した。8月28日には、スパイシーソフトが持つスマートフォンアプリの海外への配信事業を共同推進するなど協業に関する合意書を締結したと発表した。
なお9月30日を基準日(効力発生日10月1日)として1株を200株に分割し、単元株式数を100株とする。配当は4月26日公表の年間3500円(期末一括)が年間17円50銭(期末一括)となり、前期(株式分割換算で16円50銭)比実質1円の増配である。
株価の動きを見ると、概ね15万円~16万円近辺で推移していたが、電子書籍配信サービスの1位独占発表を好感して8月27日に18万2000円、8月29日に戻り高値18万9000円まで上伸した。その後一旦は16万円台に反落したが、9月4日には17万円台を回復している。
■PER10倍台、利回り2.0%
9月4日の終値17万3500円を指標面(株式200分割前)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1万5920円73銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間3500円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績連結BPS12万8367円64銭で算出)は1.4倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって、高値圏へ回帰する動きのようだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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