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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】日本エム・ディ・エムは総利益率が大幅にアップ、自社製品比率上昇
医療機器商社の日本エム・ディ・エム <7600> の株価は安値圏で推移しているが、下値固め完了感を強めている。反発のタイミングが接近しているようだ。
骨接合材料、人工関節、脊椎固定器具など整形外科分野を主力とする医療機器輸入商社である。ジョンソン・エンド・ジョンソンとの販売契約が前期に終了したが、米国子会社オーソデベロップメント(ODEV)社製品の拡販を強化しており、自社製品比率上昇による原価率改善も期待される。6月にはODEV社製造の脊椎固定器具の薬事承認を取得した。
■高齢化進む中国市場も有望
中国市場の開拓に関しては、伊藤忠商事 <8001> と連携して具体的施策を決定する予定としている。ODEV社製の人工膝関節製品が中国における薬事承認を取得しており、中国の高齢化社会到来を背景として中期的に収益寄与本格化が期待される。
7月30日発表の今期(14年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比4.0%減の20億49百万円、営業利益が27百万円の赤字(前年同期は51百万円の赤字)、経常利益が67百万円の赤字(同1億29百万円の赤字)、そして純利益が66百万円の赤字(同1億13百万円の赤字)だった。
■自社製品比率73.9%に大きくアップ
ODEV社の人工関節製品の販売は米国、日本ともに好調だったが、ジョンソン・エンド・ジョンソンとの販売契約終了に伴う影響を埋めきれず減収だった。ただし自社製品比率が73.9%(前年同期は45.8%)に上昇したことで売上総利益率が大幅に改善し、営業赤字幅が縮小した。
通期見通しは前回予想を据え置いて、売上高が前期比15.6%増の94億円、営業利益が5億40百万円(前期は1億52百万円の赤字)、経常利益が4億40百万円(同3億95百万円の赤字)、純利益が2億円(同3億97百万円の赤字)の黒字としている。
ジョンソン・エンド・ジョンソンとの販売契約終了の影響一巡、骨接合材料の新規導入製品の通期寄与、北米市場での販売増加、米国子会社ODEV社製の好調に伴う自社製品比率上昇による原価率改善などで、増収・営業黒字化見込みだ。想定為替レートは1ドル=93円としている。
■株価は240~250円の下値モミ合い十分、出直りのタイミング迎える
株価の動きを見ると、7月の260円~270円のモミ合いレンジから水準を切り下げて、足元は安値圏の240円~250円近辺で推移している。ただし6月7日の年初来安値220円近辺まで下押すことなく、240円近辺で下値固め完了感も強めている。
8月21日の終値241円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円56銭で算出)は32倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS409円58銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを圧迫する形だが、下値固め完了感も強めている。きっかけ次第で出直りの動きを強めそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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