市場は安倍プットの存在を確認

2013年8月14日 08:03

印刷

記事提供元:フィスコ


*08:03JST 市場は安倍プットの存在を確認
参議院選挙での自民党勝利をよそに、選挙後は自民党勝利見込んで実行されてきた円売り・株買いのポジション(いわゆる安倍トレード)の解消が進み、ドル円では95円台、日経平均株価で13400円台までずるずると下げる相場展開が続いていた。 参議院選挙前においては、選挙の結果に直結することから安倍首相は株価の動きを非常に気にして、株価が下がればこれに対応する言動を取っていた(つまり参議院選挙前には明らかに安倍プットが存在していた)が、参議院選挙後は自民党の圧倒的勝利を受けて、首相は参議院選挙前のようには株価を気にしていないようにも見受けられた。成長戦略については秋に決定すると表明し、早々に長い夏休みに入ってしまった。国会のねじれ解消で改革の実行が進むと期待していた市場は肩透かしを食らった格好となり、安倍トレードの解消が起きた。また反発の材料が見当たらないため売り仕掛けにも有利な状況となった。
  しかし、4-6月のGDPが市場予想を下回り、円高・株安がさらに進みそうな情勢となったところで、安倍首相はGDPについてポジティブな感想を出し、さらに法人税減税の材料を持ち出し、市場に大きなメッセージを伝えた。これ以上の円高・株安は許さないという明確な姿勢である。安倍首相は参議院選挙勝利という目的を果たしたことで、選挙後は株価についてもうそれほど気にしないという姿勢ではなく、大変気にしておりかつ対応を常に考えていることが判明した。それは、円高・株安で不況ムードが高まれば、きたるべき消費税増税の判断において増税という決断の妨げとなるほか、その先に見据えている憲法改正の妨げとなるということを考えてのことであろう。円安・株高で景気回復ムードが高まり、世論の支持をがっちり掴んだうえで憲法改正につなげるというのが安倍首相の最終目的と思われる。

ともあれ、上記のことを考えて、安倍首相が夏休み中にもかかわらずこのタイミングでわざわざ「法人税減税の検討を指示」したということから、参議院選挙後も安倍プットが存在していることがはっきり確認された。ここ数年来の米国市場におけるバーナンキプットと同様、日本市場においても安倍プットが存在する以上、投資家がどのように行動すべきかは明らかだ。《YU》

関連記事