NYの視点:バーナンキ米FRB議長の言及に矛盾も

2013年7月19日 07:03

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記事提供元:フィスコ


*07:04JST NYの視点:バーナンキ米FRB議長の言及に矛盾も

米下院金融委員会、上院銀行委員会で金融政策についての証言で、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、「FOMCは予測可能な将来高い緩和策を維持する方針」や「量的緩和第3弾(QE3)の縮小は利上げと異なる」ことを市場に説得させようと努めた。しかし、今までQEを支持してきたFRB高官たちは資産の貨幣化がマイナス金利と同様の有益性があることを理由に挙げ、「ゼロ金利政策が導入された場合、QEを通じて利下げ効果を投与することが可能だ」と断言してきた。

バーナンキ米FRB議長は量的緩和(QE)に踏み切る際、度々「X規模の量的緩和(QE)はY%の利下げと同じ効果を与える」と主張してきた。実際、2011年2月9日の議会証言で、2010年11月連邦公開市場委員会(FOMC)で導入した6000億ドル規模の量的緩和第2弾(QE2)についての議員の質問「FRBはどのような方法で6000億ドルの規模を算出したのか」に対し、議長は、「もし、政策金利を引き下げることができると過程した場合(ゼロ金利下で利下げは不可能)、どの程度引き下げるかとの考え方を基本にし6000億ドル規模の資産購入の効力は、政策金利であるFF金利誘導目標の75ベーシスポイントの利下げと同じ効力を持つ」と答えている。

出口戦略の実施に関する憶測や論争が強まっている現時点にいたっては、FRBは「QEの縮小は利上げではない」と市場金利をなるべく引き上げないように努めている。市場金利が上昇すると、住宅ローン金利などに影響を与え、せっかく回復し始めた住宅市場にも悪影響を与える危険がある。「FRBは流動性のわなにはまり、逃げ道がない」と悲観的な見方を示しているアナリストもいる。もし、FRBが流動性を減らしたら、資産市場が急落するほか消費者信頼感が低下、経済に悪影響を与える。一方、もし流動性の供給を続けた場合、資産市場のバブルを形成し、いずれバブル崩壊とともに金融市場や経済を再び混乱に陥れることになる。

バーナンキ米FRB議長も、早期の引き締めは完全雇用に復帰しない可能性を高めるリスクとなるが、遅すぎてもインフレの高進につながるリスクがあると述べており、難しい舵取りを迫られる。9月のFOMCでの資産購入縮小の思惑も根強い中、議長は9月FOMCでのQE縮小の判定をくだすのは時期尚早で、行方の判断には指標を注視する必要があることを改めて強調した。議長の説得にもかかわらず、金利は上昇基調にありドルを支えていくことになる。《KO》

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