関連記事
NYの視点:米FRBメンバーの講演
*07:06JST NYの視点:米FRBメンバーの講演
米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は金利上昇をいくらか抑制することに成功した。18-19日にワシントンで開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)後、21日からすでに4名の米FRB関係者が講演を行った。いずれも市場の反応に違和感を表明。特に、タカ派で知られるフィッシャー米ダラス連銀総裁(2013年の投票権なし)がそのタカ派トーンを弱めたことやコチャラコタ米ミネアポリス地区連銀総裁(2013年のMC投票権なし)がハト姿勢を維持したことが、市場の雰囲気を変えた。
米国債券利回りの上昇は一服。米FOMC後、米国の金融政策変更を織り込む動きが活発化し、5月初旬に1.61%だった米国10年債利回りは一時2.66%まで上昇した。債券利回りは短期間でおおよそ60%の上昇を記録したが、この急伸は1962年以降でもっとも急激な動きとして注目された。
ブラード・セントルイス連銀総裁は21日に声明を発表し、「資産購入規模の縮小に動くのは時期尚早。縮小には経済回復に一段と目に見えるサインが必要、むしろ2%のインフレ目標を守るための強い公約を示すべきだ」との考えからFOMCの決定に反対票を投じたと説明した。
また、コチャラコタ米ミネアポリス地区連銀総裁は、FOMCを受けた短期的な反応を懸念しないが継続すると懸念材料になると指摘。引き続き、「失業率が7%を割り込むまで資産購入を続け、失業率が5.5%になるまでゼロ金利が適切となる可能性がある」との姿勢を維持した。
さらに、フィッシャー米ダラス連銀総裁は英フィナンシャルタイムズ紙とのインタビューで「市場は常にものごとを試すようにできている」「英国中銀に起こったこと(1992年に著名投資家ジョージ・ソロスらが仕掛けたポンド売りによって、英国がイングランド銀行の市場介入もむなしく、欧州為替相場メカニズム(ERM)からの離脱を余儀なくされた)を誰もが忘れていないと思うが、連邦準備制度理事会(FRB)を負かすことはできないと考える。大規模な資金は「feral hogs(野生化した豚・いのしし)」のように自然と体系化すると信じている。何か弱い、または悪いにおいをかぎつけたらその後を追うものだ」と発言。市場の反応に揺るぐことなく、必要となった場合にFRBは計画を実行するべきだとの見方を示した。
フィッシャー総裁は今まで、FRBのバランスシートが空前の規模に拡大していることや資産市場のバブルを形成することを警戒し、米FRBが実施している大規模な資産購入に批判的だったが、「政策決定の声明や議長の発言は将来の量的緩和終了時に向けて準備するよう金融市場を仕向ける手順の一環だ」と指摘。資産購入の規模縮小は慎重に実施されると強調し「金融刺激策を一晩できっぱりやめるようなことはしたくない」と述べ、タカ派色を弱めた発言を行った。
今後、1カ月にわたり、様々なFRBメンバーの講演が予定されており、注目されている。しかしながら、7月10日に予定されている米6月連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の公表、17-18日に予定されているバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の半期に一度の議会証言が最大の焦点となる。
■米FRBのイベント
■6月
26日:フィッシャー米ダラス連銀総裁、ラッカー米リッチモンド地区連銀総裁が金融規制に関して下院で証言
27日:ダドリーNY連銀総裁が雇用市場に関する講演、ロックハート・アトランタ連銀総裁が経済に関する講演
28日:スタイン連邦準備制度理事会(FRB)理事が金融政策に関して講演、ラッカー米リッチモンド地区連銀総裁が経済見通しに関して講演
■7月
10日:米FRBが6月連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事録を公表
12日:ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁が金融政策に関するレポートを提示、プロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁、ブラード・セントルイス連銀総裁がジャクソンホールで講演
16日:ジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁が経済状況に関する講演
17-18日:バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が半期に一度の政策に関する議会証言《KO》
スポンサードリンク

