中国経済への懸念強い、物色はネット選挙関連などに/ランチタイムコメント

2013年6月24日 11:52

印刷

記事提供元:フィスコ


*11:52JST 中国経済への懸念強い、物色はネット選挙関連などに
 日経平均は強弱感が対立。3.11円安の13227.02円(出来高概算12億2000万株)で前場の取引を終えている。為替市場で円相場が1ドル98円前半と前週末から円安水準で推移していることを受けて買いが先行した。また、参院選の前哨戦として注目された東京都議選は、自民党が都議会第1党の座を奪い返した。「ねじれ」国会解消への一歩となり、安定政権への期待を背景に買い安心感につながっている。これにより日経平均は13400円を回復して始まり、寄付き直後には13426.13円まで上げ幅を広げた。しかし、米国の量的緩和縮小によるポジションの巻き戻しによる影響は、引き続き見極めが必要。また、中国経済の減速懸念も重しとなるなか、じりじりと上げ幅を縮める展開となり、13144.44円と下げに転じる局面もみられている。
 セクターでは不動産、証券、その他金融、海運、空運などが堅調。一方で、非鉄金属、卸売、機械などが中国経済の減速懸念などから弱含みの展開となった。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が過半数を占めているが、規模別指数では大型株指数のみがマイナス。
 為替市場では円安傾向をみせているが、中国の動向が相当警戒されているようである。日経平均のマイナス寄与度をみても、ダイキン<6367>、ホンダ<7267>、ファナック<6954>、コマツ<6301>、クボタ<6326>など関連銘柄の下げが目立っている。
 一方、不動産が上昇率上位となるなど、都議選の結果を受けた安定政権への期待から、アベノミクスで恩恵を受けるとされるセクターへの物色に向かわせているようである。そのほか、個人主体の売買はドワンゴ<3715>など、ネット選挙関連などの中小型株への物色を強めている。また、日経平均が強弱感対立で方向感が掴みづらいなか、カーバイド<4064>など、やや仕手系色の強い材料株に値幅取り狙いの動きがみられる。(村瀬智一)《FA》

関連記事