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住友商事とNEC、ミャンマー向け通信インフラ構築を受注 無償ODAを活用
住友商事とNECは21日、NTTコミュニケーションズとコンソーシアムを組み、ミャンマーの通信情報技術省と「通信網緊急改善計画」に関して5月14日付けで契約を締結したと発表した。
「通信網緊急改善計画」は、日本政府がミャンマーに対する経済協力方針を変更した2012年4月以降で、日本の政府開発援助(ODA)を活用した初めてのインフラ構築案件となる。この通信網を整備することで、経済活動や国民生活の基盤となる通信インフラを先進国並みに改善させ、住民生活の向上、経済のさらなる活性化に繋げることを目指している。
ミャンマーでは、今後の経済発展に欠かせない通信インフラの整備、および国民生活におけるコミュニケーションの基盤とも言える固定電話、携帯電話、インターネットの普及が周辺国と比較して遅れており、回線も品質の改善が必要となっている。
このため同国政府より、特にヤンゴン、マンダレー、ネピドーの各都市やその都市間における通信インフラの緊急改善支援について、日本政府に対して強い要請があった。この要請に答える形で、2012年12月28日に日本とミャンマーの両政府間で交換公文が、また、独立行政法人国際協力機構(JICA)とミャンマー間で贈与契約が締結され、17.1億円の政府開発援助(ODA)が約束された。
「通信網緊急改善計画」は、この無償資金協力を活用し、主要三都市間の幹線強化、同都市内通信網の強化並びにインターネット接続環境改善に関する機材調達、据付および操作・運用指導を行うもの。契約締結後すぐにシステム構築を開始し、2013年11月末までには全てのシステムの構築を完了、12月から2014年1月中旬にかけ運用支援を行う予定。
同計画により構築する通信インフラは、ヤンゴン、マンダレー、ネピドーの都市間を結ぶ伝送容量30Gbpsの高速・大容量な基幹光通信網、および各都市内でLTE通信、固定電話、インターネット通信を各10Gbpsで実現する市内光通信網となる。これらにより、LTE通信約4万加入者、固定電話約150万加入者、インターネット通信約100万加入者が同時に利用できるインフラを実現する。なお、LTE通信システムにおいては、3都市合計でLTE基地局50カ所を設置する。
住友商事とNECは同通信インフラ構築により、今年末に予定されている東南アジア競技大会(SEA Games)、2014年のASEAN議長国就任などにおいても円滑な情報通信を可能にすることで、これらのイベントにおいてミャンマーの高い国際的プレゼンスを示す一助となるべく、速やかな案件完了を目指す。また、両社は今後、主要都市以外の都市向けなど、通信インフラのさらなる拡充についても同国へ引き続き提案していく。
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