ソユーズ2.1aロケット、衛星6機を同時打ち上げ

2013年2月9日 21:00

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記事提供元:sorae.jp

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  バイコヌール現地時間6日22時04分(日本時間7日1時04分)、6機のグローバルスター衛星を搭載したソユーズ2.1a/フレガートMロケットが、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から離昇、約1時間40分後までに6機の衛星すべてを所定の軌道に投入し、打ち上げは成功した。今後各衛星は高度を上げ、実際に運用を行う軌道に入る。

  グローバルスターはアメリカの衛星通信会社グローバルスター社が展開している衛星で、高度が約1,400km、傾斜角が52度となる複数の軌道に52機にも及ぶ衛星を置き、極域などを除く地球のあらゆる場所に電話や通信サービスを提供する。1998年から構築が始まり、現在は第2世代型の衛星によって運用されている。

  第2世代型グローバルスターは2006年から開発が始まり、2010年9月19日に最初の6機が打ち上げられ、今回の4回目の打ち上げで24機が軌道に配置された。第1世代機は1998年に12機同時を試みるも失敗し、衛星群の構築に遅れが生じた上に、先に成功した時間が経つにつれて衛星も寿命が尽きるなどし、最近はサービスを提供するための衛星数が足りない状況が続いていた。今回の成功を受け、グローバルスター社はプレスリリースの冒頭で「衛星電話・衛星通信サービス業界のリーダーとしての地位を回復した」と宣言している。また今後も代替機の打ち上げが順次行われる予定だ。

  第2世代型は第1世代型と同じく、タレス・アレーニア・スペース社が製造している。プロテウス・バスと呼ばれる多くの衛星で使用実績のある衛星の構造を改造したものを用いて開発されており、その外見は台形の、金のインゴットのような独特な形をしている。打ち上げ時の質量は約700kg、第1世代型の約2倍となる15年の設計寿命を持つ。

  スターセム社はソユーズロケットで商業打ち上げを行うために、欧州とロシアの各企業によって設立された会社だ。これまでグローバルスターをはじめ、宇宙望遠鏡コローや火星探査機マーズ・エクスプレス、金星探査機ビーナス・エクスプレス、他にも地球観測衛星や通信衛星など、多くの打ち上げを成功させてきた。なお、バイコヌール宇宙基地から打ち上げられる商業用ソユーズはこれが最後となり、今後はアリアンスペース社が保有する、南米仏領ギアナにあるギアナ宇宙センターのソユーズ発射台から打ち上げられることになる。もちろんソユーズ宇宙船、プログレス補給船、軍事衛星などの打ち上げは継続される。

 ■Starsem/Arianespace completes the deployment of Globalstar’s constellation with a Soyuz mission from Baikonur Cosmodrome
http://www.starsem.com/news/ST26-mission-update-10-2-6-2012.html

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