【アナリストの眼】アイセイ薬局:岡村幸彦社長に聞く

2012年10月1日 14:06

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  アイセイ薬局 <3170> (JQS)は、調剤薬局233店舗(12年9月1日現在)を関東・東海・関西・東北・甲信越エリアに展開し、グループ子会社では、介護付有料老人ホームやデイサービスなどの介護・福祉事業、医薬品卸売事業、不動産リース事業も展開している。

  第一の特徴は、調剤薬局の出店戦略だろう。競争の激しい大病院門前型の出店を避け、開業医と地域の患者に近い「かかりつけ薬局」店舗として、開業医に隣接したマンツーマン型の出店や開業医が集積する医療モールの開発に注力してきた。12年9月1日現在のタイプ別店舗数は、マンツーマン型の147店舗と医療モール型の63店舗で全体の約9割を占め、門前型は23店舗にとどまっている。また最近の医療モール開発動向に関して、岡村幸彦社長は「競合他社では家賃などコスト面で採算性を度外視した開発の例もあるようだが、当社の強みは創業来28年間培ってきた医療モール開発の実績とノウハウであり、今後も採算性を重視した開発を堅持する」と述べている。

■事業承継・M&A戦略で20年3月期売上3000億円は高評価

  第二の特徴は、中小薬局に対する事業承継やM&Aの積極的な活用だろう。11年2月に子会社化したコスモ・メディカル(茨城県、24店舗)は12年3月期の大幅増収に寄与した。また12年4月には、すみれ薬局(山梨県、8店舗)を子会社化している。事業承継型を中心に新規M&Aの紹介案件が急増している模様であり、今後の事業承継・M&A戦略の加速や出店エリアの拡大も期待されるだろう。

  13年3月期の連結業績見通しについては、インフルエンザや花粉症などの処方箋の下半期偏重、医療制度改正の影響などに加えて、経営基盤強化に向けた新規出店、新卒薬剤師の大量採用と教育研修、業務効率化、内部体制強化などの先行投資に伴う費用増加が見込まれることもあり、岡村幸彦社長は「新規の事業承継やM&Aを含まず保守的な予想」としている。ただし複数のM&A案件が検討されている模様で「新規のM&Aによって上振れの可能性がある」としている。

■医療・介護福祉融合のハブ機能を果たす複合型調剤薬局店計画に期待

  また中期経営計画では、数値目標として15年3月期に売上高600億円以上(12年3月期実績378億円)、経常利益30億円以上(同17億円)を掲げ、重点施策としては医療モールの積極開発、介護・福祉事業と調剤薬局事業のシナジー創出、事業承継・M&A戦略の推進などを打ち出している。特に事業承継・M&A戦略について、岡村幸彦社長は「中期経営計画の目標達成に向けて、今後2~3年の間はコンスタントに事業承継型のM&Aを積み上げることができるのでは」と述べている。さらに「将来的には医療・介護福祉と連携融合してハブ機能を果たす複合型調剤薬局店舗の開発を進め、20年3月期の売上高3000億円の目標にチャレンジする」としている。

■株価上昇トレンド確認、業績好展望で最高値挑戦へ

  株価の動き(8月31日を基準日として1株を2株に株式分割しているため以前の株価は遡及修正)を見ると、8月10日の2000円を直近ボトムとして強基調の展開となり、9月24日には戻り高値2690円を付けた。その後は25日が前日比115円安、26日が同85円安と急反落したが、同業の日本調剤<3341>(東1)が24日の取引終了後に12年4~9月期業績見通しの下方修正を発表したため、連想売りが優勢になったと考えられるが、影響は一時的だろう。

  28日の終値2500円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS368円42銭で算出)は6~7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間55円50銭で算出)は2.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPSに株式分割を考慮した1587円73銭で算出)は1.5倍近辺となる。

  日足チャートでは25日移動平均線がサポートラインの形であり、週足チャートでは26週移動平均線を回復して、6月と8月の戻り高値2500円を突破している。上昇トレンドを確認した形だろう。今期業績見通しの上振れ期待に加えて中期的な収益拡大も予想されるだけに、4月の上場来高値2950円が視野に入るだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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