DNPが太陽電池モジュールの変換効率向上に対応した部材を量産開始

2012年8月9日 11:00

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

 大日本印刷(DNP)が、太陽電池モジュールの変換効率向上に対応した部材3種の量産を開始すると発表。高電圧下での電流の漏れ(PID:電位誘発劣化)への耐性と紫外線域の光の透過性を高めた封止材「CVFシリーズ」、絶縁性と長期信頼性を高めたバックシート「NRシリーズ」、裏面電極(バックコンタクト)型の太陽電池に対応した「バスラインシート」の3製品で、これらの部材により2014年度に200億円の売上を見込んでいる。

 「CVFシリーズ」はポリオレフィンを採用しており、EVA(エチレンビニルアセテート)を使用した製品と比較して約10倍の水分遮断性があるという。このため、高温度・高湿度で1000Vの電圧をかけたPIDが起こりやすい条件下でも、出力低下がほとんどないとのこと。また、UV域の波長も発電に利用することが可能で、太陽光を有効活用する新たな高効率セルに使用して発電効率を向上させることができるという。

 「NRシリーズ」は、従来の数倍に絶縁性を高めたバックシート。m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)を用いており、絶縁性だけでなく難燃性も高く、高温度・高湿度下の長期信頼性評価で、従来の10倍以上の耐久性を有している。

 「バスラインシート」は、電極の回路パターンをシート上に形成した製品。太陽電池モジュールを製造するラミネート工程で、セルに貼り合わせるだけで電極が形成できるため生産工程の簡易化が実現しているという。

 メガソーラー発電所の建設ラッシュもあり、太陽電池モジュール関連部材の市場は今後、活発化するであろう。それとともに、どこまで交換効率の向上等、技術を向上させることが出来るのであろうか。今後の開発に期待が高まるところであろう。

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連記事