【外国為替市場を検証:ドル・円相場】市場介入への警戒感などで円高一服

2012年6月9日 17:18

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【外国為替市場フラッシュ:6月4日~8日のドル・円相場】

■概ね1ドル=78円00銭近辺~79円70銭近辺で推移

  6月4日~8日のドル・円相場については、概ね1ドル=78円00銭近辺~79円70銭近辺のレンジで推移した。円売り市場介入への警戒感などで円高一服の展開となった。週末8日の海外市場で終盤は1ドル=79円50銭近辺だった。

  週前半は概ね1ドル=78円台で推移した。ユーロ売りの流れでドル売り・円買いが優勢になる場面もあったが、概ね小動きだった。しかし日本時間5日夜に開催されたG7緊急電話会議後の安住財務相の発言を受けて、ドル買い・円売り市場介入への警戒感が強まった。週後半はリスク回避の円買い圧力がやや和らぎ、円高進行が一服する展開となった。

  ドル・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末1日の海外市場では1ドル=77円60銭台に円が上昇する場面があった。米5月雇用統計で非農業部門雇用者の増加数が市場予想を大幅に下回ったことで、ドル売り・円買いが加速した。ただし直後に1ドル=78円70銭近辺に円が急落する場面があり、ドル買い・円売り市場介入の噂も広がった。その後は市場介入への警戒感もあり、概ね1ドル=78円台前半でモミ合う展開となった。終盤は1ドル=78円00銭近辺だった。

  この流れを受けて週初4日の東京市場では、概ね1ドル=78円00銭台~40銭台で推移した。朝方には円売り市場介入の思惑などで乱高下する場面があったが、概ね1ドル=78円10銭近辺でモミ合う展開で、終盤は1ドル=78円00銭近辺だった。4日の海外市場では概ね1ドル=78円00銭近辺~40銭近辺で推移した。小動きだったが、円売り市場介入への警戒感などでドル買い・円売りがやや優勢だった。終盤は1ドル=78円30銭~40銭近辺だった。

  5日の東京市場では概ね1ドル=78円20銭台~40銭台で推移した。豪準備銀行が政策金利0.25%引き下げを発表したが、影響は限定的だった。ユーロ売りの流れでドル売り・円買いがやや優勢となり、終盤は1ドル=78円20銭台だった。5日の海外市場では概ね1ドル=78円10銭台~90銭台で推移した。G7緊急電話会議では公式の声明発表はなく、ユーロ圏債務問題に関して新たな具体策は示されなかったが、電話会議終了後に安住財務相が足元の急激な円高について警戒感を示したと伝わり、市場介入への警戒感でドル買い・円売りが優勢になった。終盤は1ドル=78円70銭~80銭近辺だった。

  6日の東京市場では概ね1ドル=78円60銭台~79円10銭台で推移した。豪1~3月期実質GDPが市場予想を上回ったことを受けてドル買い・円売りがやや優勢になった。さらに欧州の時間帯に入ると円売りがさらに優勢となり、終盤は1ドル=79円10銭台だった。6日の海外市場では概ね1ドル=78円90銭台~79円20銭台で推移した。円売り市場介入への警戒感に加えて、ユーロ買い戻しの流れや米金利上昇を受けてドル買い・円売りが優勢だった。終盤は1ドル=79円20銭近辺だった。

  7日の東京市場では概ね1ドル=79円10銭台~50銭台で推移した。豪5月雇用統計発表後にドル買い・円売りがやや優勢になる場面もあったが、バーナンキ米FRB議長の議会証言を控えて小動きだった。終盤は1ドル=79円20銭台だった。7日の海外市場では概ね1ドル=79円20銭台~70銭台で推移した。スペイン中長期債入札が順調だったことなどで、前半はリスク回避の円買い圧力が和らいだ。米新規失業保険申請件数の減少もドル買いにつながった。しかしバーナンキ米FRB議長の議会証言で失望感が広がり、フィッチ・レーティングスによるスペイン国債格付け引き下げもあって、その後はモミ合う展開となった。終盤は1ドル=79円60銭~70銭近辺だった。

  8日の東京市場では概ね1ドル=79円10銭台~70銭台で推移した。ポジション調整やアジアの主要株式市場の下落などで、午後はドル売り・円買いが優勢になった。終盤は1ドル=79円20銭台だった。8日の海外市場では概ね1ドル=79円10銭台~60銭台で推移した。序盤はドル売り・円買いが優勢だったが、スペインが今週末にも銀行支援のための金融措置を要請する見通しでユーロ圏財務相グループが9日に電話協議を行うとの報道などを受けて、銀行救済への期待感が高まり徐々に円買い圧力が和らいだ。終盤は1ドル=79円50銭近辺だった。

  ドル・円相場に関しては、大勢としては米追加緩和期待のドル売り・円買い優勢の流れが継続している。ただし日本政府・日銀によるドル買い・円売り市場介入が意識される水準であり、思惑が交錯する状況であることにも変化はない。今週は5日のG7緊急電話会議後の安住財務相の発言で円売り市場介入への警戒感が強まり、円買い一服の展開となった。

  ギリシャ問題やスペイン問題に対する警戒感でのユーロ売り・ドル買い、米追加緩和観測でのドル売り・円買い、そしてドル買い・円売り市場介入への警戒感が交錯する状況に大きな変化はないだろう。また来週の日銀金融政策決定会合では追加緩和見送りとの見方が優勢であり、ギリシャ再選挙を控えて様子見ムードを強めそうだ。

  その後は、18日~19日のG20首脳会議、19日~20日の米FOMC(連邦公開市場委員会)を控えており、ユーロ問題や主要国・地域の金融政策が焦点となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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