【決算】日本エム・ディ・エム:自社製品、アライアンス製品置き換えに成功

2012年5月30日 10:49

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■前期12年3月期決算説明会を開催

  骨接合材の日本エム・ディ・エム <7600> は22日、前期12年3月期決算説明会を開催した。

  同社は、長年日本におけるジョンソン&ジョンソン社の骨接合材の独占販売権を持っていたが、今年の6月30日をもって、独占販売契約を終了する。

  そのため、同社はジョンソン&ジョンソン社の骨接合材に代わる製品のラインナップを充実させるために、同社の商社機能、メーカー機能を共に強化し、日本人の体格にあった骨接合材を探す一方で、自社開発を行った。その結果、6月30日を前に、ほとんど全ての骨接合材を自社製品または、アライアンス製品に置き換えることに成功している。

  決算説明会の冒頭、代表取締役社長大川正男氏は12年3月期のトピックスとして、新製品の承認取得と販売開始について以下のように語った。

  「新製品として紹介しますのは、骨接合材でございます。足関節用、手関節用プレート等を開発しました。これは昨年末にも公表いたしましたように、薬事承認を得てこの4月から順次販売を開始しています。業績には今期以降大きな影響を及ぼしてくるだろうと期待しています。こちらの自社開発製品に合わせて、販売提携先であるナカシマメディカル様の製品、そして以前から私共とお付き合いさせていただいているオーミック社様の製品を併せて、ほぼジョンソン&ジョンソン社様の製品と代替することが出来ました」と骨接合材のラインナップが整ったことを紹介した。

■0.7%の増収は、これからの売上拡大を予測

  日本国内の販売については、「今回新製品がいくつか出たこともあり、国内の販売は好調でありました。前期12年3月期の決算が決算期変更に伴いまして10カ月決算だったということもありまして、比較しにくいのですが、前期の売上高は100.7%となりました。僅かですが増収となりました。しかし、これは当社にとって非常に大きな出来事といえます。というのは、この10年間売上高は低迷していまして、毎年前年比割れを継続してきていましたので、この0.7%の増収は、これからの売上拡大を予測するものと期待しています。増収に貢献したのが、人工股関節であります。また、2010年から販売していますオーミック社の製品も順調い伸びています」と国内販売がプラスに転じたことを発表した。

  米国の売上に関しては、「米国の販売は継続的に増加していまして、12年3月期も1,497万7千ドルと対前年同期比2.5%の増収でございました。11年3月期がドルベースで18.0%増と大幅に伸びていましたが、それを更に上回ったことで順調であったといえます。中でも人工関節は、約9.0%伸びました。但し円高の影響もありまして、円換算では目減りしました。また、4月よりカールストルツ社との販売契約を締結しまして、全国で内視鏡、間接鏡の取扱を新たに開始しています。我々はインプラント手術までの領域の製品を取り扱っているわけですが、こちらの内視鏡、間接鏡は初期治療から幅広く使われているものです」と米国の売上が順調であり、カールストルツ社と提携し、新製品を販売していることも紹介した。

■有利子負債は6年間で3分の1以下に減少

  前期12年3月期連結業績は、決算期変更のため10カ月決算であることから前年同期と増減率は発表されていない。売上高81億20百万円、営業利益3億42百万円、経常利益1億72百万円、純利益△1億78百万円。

  最終利益が赤字となったのは、ジョンソン&ジョンソン社との販売契約終了に伴い、ジョンソン&ジョンソン社製品の売却損失見積もり相当額95百万円を前倒しで棚卸資産評価損として計上し、また、ジョンソン&ジョンソン社専用医療工具を含む固定資産除却損4億32百万を計上したことによる。

  過去6年間の棚卸資産、有利子負債の推移を見ると、07年5月期の棚卸資産は159億33百万円であったが、その後137億75百万円、122億7百万円、70億3百万円、61億98百万円となり、前期12年3月期には58億61百万円と大幅に減少している。

  有利子負債は、07年5月期の157億98百万円から、112億23百万円、80億34百万円、56億23百万円、45億29百万円となり、前期12年3月期には44億86百万円と6年間で3分の1以下に減少している。

  前期の業績は赤字となっているが、棚卸資産、有利子負債の大幅減少で分かるように財務体質の健全化は明確となり、自己資本比率は06年の45.0%から63.6%と18.6ポイントも改善している。

  現金および現金同等物の期末残高を比較すると06年8億42百万円、12年3月期22億90百万円であり、財務基盤の強化は歴然といえる。

■自社製品比率は前期40.9%から一挙に66.5%と大幅に伸びる見込み

  今期より、自社製品比率が更に高まることから、今期13年3月期連結業績予想は、売上高95億円、営業利益7億円、経常利益5億50百万円、純利益2億60百万円を見込んでいる。

  前期が変則決算であるため、前期との比較はできないが、営業利益率を比較すると7.3%と前期の4.2%を大きく上回っていることが分かる。

  主要品目別の連結売上高予想は、骨接合材料31億26百万円、人工関節48億12百万円、脊椎固定器具8億96百万円、その他6億66百万円となっている。

  95億円の売上高に占める自社製品売上高は63億17百万円を見込んでいる。自社製品比率は、前期の40.9%から一挙に66.5%と大幅に伸びる見込み。

■北米で骨接合材の販売開始、中国で承認取得し中国での販売開始も目指す

  同日に、今期13年3月期を初年度とする3カ年の中期経営計画~NEW MODE~を発表している。

  中期経営計画の目標は、20製品以上の自社・提携製品を本格的に投入し、安定収益基盤を確立することで、成長を実現すること。

  経営方針としては、メーカー機能の強化、商社機能の強化、グローバル展開、業務効率の向上の4点を上げている。

  中でも注目される点は、グローバル展開。今後北米でも骨接合材の販売を開始すると共に、中国で薬事承認取得し、中国市場での販売開始も目指している。米国、中国といった大市場をターゲットとしていることから、事業の急拡大も期待できる。

■利益率の高い自社製品を販売することで、高収益の時代が到来

  中期経営計画の数値目標は、連結営業利益率18%達成、自社製品売上比率80%達成、純有利子負債残高△10億円達成を掲げている。

  14年3月期売上高108億円(前年同期比13.6%増)、営業利益15億50百万円(同121.4%増)、経常利益14億円(154.5%増)と増収大幅増益を見込んでいる。

  15年3月期業績予想は、売上高124億円(前年同期比14.8%増)、営業利益22億50百万円(同45.1%増)、経常利益21億円(同50.0%増)と同じく増収大幅増益を見込む。

  長年多額の棚卸資産、有利子負債を抱えていた時代は過ぎ去り、利益率の高い自社製品を販売することで、高収益の時代が到来している。今後の事業拡大も期待できることから、株価の上昇が予想される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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