生化学工業:12年3月期連結業積は減収ながら大幅増益

2012年5月21日 13:21

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■16日、12年3月期決算説明会を開催

  生化学工業 <4548> は16日、12年3月期決算説明会を開催した。

  12年3月期連結業積は、売上高270億82百万円(前年同期比0.1%減)、営業利益46億17百万円(同30.7%増)、経常利益47億70百万円(同14.7%増)、純利益32億70百万円(同33.4%増)と減収ながら大幅増益。

  売上高に関しては、前年同期比35百万円減となった。内訳は、医薬品214億97百万円(同3億13百万円増)、機能化学品55億84百万円(同3億48百万円減)であった。

  医薬品に関しては、国内は15百万円の増収であった。アルツは市場拡大率が低下したものの、市場シェアは54.3%と0.9ポイントアップした。売上高は前年がプラスチック容器の発売により高水準で推移したこともあり微増となった。オペガンは競争激化や計画停電に伴う白内障手術件数の減少により微減であった。ムコアップは、震災の影響が除々に回復し微増となった。

  一方、海外の売上高は、円高の影響で2億36百万円の為替差損が発生したものの2億97百万円の増収であった。米国では、現地での販売が増加に転じたことで、円高を跳ね返し増収となった。その他の国々では、特に中国が引き続き好調であった。

  機能化学品は、試薬・診断薬は3億79百万円の減収となった。円高の影響や、研究用試薬事業の廃止等により減収となった。しかし、ACC社の現地通貨ベースでの売上高は、11.0%の増収であった。

  医薬品原体は、ヒアルロン酸の増加により、30百万円の増収となった。

  利益面に関しては、原価が7億32百万円減少したうえに、販管費も3億86百万円減少したことから営業利益は大幅増益となった。最終利益については、為替差損が前年同期比で1億91百万円減少、特別損失も前年同期比で9億1百万円減少したことから大幅増益で着地した。

  セグメント別売上高は、医薬品214億97百万円(同1.5%増)となっている。内訳は、国内医薬品179億92百万円(同0.1%増)、海外医薬品35億5百万円(同9.3%増)であった。

  機能化学品55億84百万円(同5.9%減)。内訳は、試薬・診断薬38億60百万円(同9.0%減)、医薬品原体17億23百万円(同1.8%増)。

  国内と海外の売上比率は、国内77.7%(同1.2%減)、海外22.3%(同1.2%増)となっている。

■今期13年3月期連結業績は減収大幅減益を見込む

  今期13年3月期連結業績は、売上高267億円(前期比1.4%減)、営業利益26億円(同43.7%減)、経常利益31億円(同35.0%減)、純利益22億円(同32.7%減)と減収大幅減益を見込んでいる。

  研究開発費67億円(同12.2%増)と研究開発費は増やす計画。また、セグメントの変更を実施する。医薬品事業に医薬品原体を加え、従来の機能化学品事業をLAL事業(エンドトキシン測定用試薬)とする。

  今期予想の売上高の内訳は、国内医薬品はアルツの数量増で薬価改定の影響を補い、ほぼ前期並みの前期比92百万円減を見込む。海外医薬品は、主に中国現地販売が伸び、前期比94百万円増。医薬品原体は、ヒアルロン酸の減少により、前期比1億23百万円減と見込んでいる。

  LAL事業は、海外販売を中心としたエンドトキシン測定用試薬が増加することで、前期比1億95百万円の増を見込む。研究用試薬事業の廃止で約4億円が減少する。

  営業利益に関しては、売上原価が、新生産設備稼働に伴う償却費の増加により、約3億円増加する一方で、販管費もR&D費用が開発テーマの進捗や研究施設償却費の増加により前期比7億29百万円増加する見込み、その他の営業関連費等も増加することで、全体では前期比約13億円増と見込まれている。その結果、営業利益は前期比20億17百万円減を見込む。

  純利益に関しては、ロイヤリティ収入の増加、為替差損減少等を見込むが前期比10億70百万円の減少を見込んでいる。

■今期のアルツの売上予想は、全体のマーケットの伸びを上回る伸びで、シェアの拡大が予想される

  国内のアルツの市場販売状況は、12年3月のアルツ医療機関納入本数は2147万3000本でシェアは54.3%と前年比で0.9ポイント伸びた。今期13年3月期の予想は、アルツ医療機関納入本数は2320万本で、シェア55.2%と同じく0.9ポイント増を見込んでいる。いずれも全体のマーケットの伸びを上回る伸びで、シェアの拡大が予想される。

  マーケットでの拡大策として、2月22日(Knee Knee Knee)を「ひざイキイキの日」と制定し、専門医などを迎え記念トークイベントを開催した。更に、プラスチック・ガラス容器の併売で医療ニーズに対応すると共に、疾患啓発活動のパンフレットなど資材活用による医療機関へのアプローチを行っている。また、整形外科以外の診療科への販売促進も強化している。

  海外医薬品の販売状況は、12年3月期35億5百万円(前年度比9.3%増)、13年3月期予想は、36億円(前期比2.7%増)を見込んでいる。米国においては、Supartzの現地販売に関しては、医師向けWebサイトを新設し、引き続き複数回投与製品ニーズを獲得していく。その他の地域については、中国、イタリア向けが増加することで、前期比11.1%増を見込んでいる。

  オペガン(ヒアルロン酸を主成分とする白内障手術の補助剤)の販売状況は、12年3月期55万2000本(前年同期比3.8%減)、13年3月期予想56万3000本(前期比2.0%増)を見込んでいる。

  パイプラインリストは、SI-6603(腰椎椎間板ヘルニア)日本PIII、米国PII、SI-657(腱・靭帯付着部症)日本PII、SI-614(ドライアイ)米国PII、SI-615(関節リウマチ)日本PI、SI-615(関節疾患領域)日本PIとなっている。前期第2四半期から変動があったものはSI-614(ドライアイ)米国PII、詳細は開示していないが関節疾患領域PIである。

■今期を初年度とする新中期経営計画「ACT for the future」を発表

  また、同日に13年3月期を初年度とする3年間の新中期経営計画「ACT for the future」を発表した。数値目標は、2015年度目標売上高315億円、営業利益30億円を掲げている。この間にアルツディスポ増産及び医薬品原体製造設備新設など複数の大型設備投資を積極化する計画。そのため減価償却費は、12年3月期の20億8百万円から13年3月期は23億円を見込んでいて、その後の3年間は右肩上がりで16年3月期の約35億円をピークに減少する見込み。

  新中期経営計画は、10年ビジョン達成に向けた萌芽形成の時期と捉えている。その結果、17年3月期以降の利益成長トピックスとしては、減価償却費の減少、SI-6603(腰椎椎間板ヘルニア)の日本、米国での上市、SI-614(ドライアイ)の米国での上市、国内アルツのさらなる拡大、海外成長市場の開拓等が挙げられる。

  今期の配当は、前期と同じく25円を予想している。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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