ジーンズメーカーのボブソンが再生手続き廃止、負債は約10億円

2012年5月1日 01:19

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 帝国データバンクは27日、「BOBSON」で知られるジーンズメーカーの株式会社ボブソン(東京都港区)が4月26日に東京地裁より再生手続き廃止決定を受けたと発表した。負債は2011年2月28日時点で約10億7400万円。

 帝国データバンクによると、ボブソンは、2009年8月に経営コンサルなどを手がけるマイルストーンターンアラウンドマネジメント(東京都)の出資により、旧・ボブソン(岡山市)が手がける「BOBSON」ブランドの企画・製造・販売を引き継ぐ目的で設立。2009年10月に事業譲渡に関する契約を締結、同年11月に正式に事業譲渡され営業を開始した。

 旧・ボブソンは、1948年6月に創業、50年12月に法人改組されたジーンズメーカー。「BOBSON」ブランドで高い知名度を誇り、レーヨン素材のジーンズ製品で人気を集め、技術開発力にも定評があった。92年にはJリーグのオフィシャルスポンサーを務めるなど話題づくりにも注力。直営店などによる小売りも手がけ、2005年5月期には年売上高約128億円を計上していた。

 しかし、近年は激安ジーンズの登場により価格競争が激化。販売不振から株式会社ボブソンへ事業を譲渡し、その後は、新生ボブソンとしてブランドイメージの再構築を図るとともに採算性を重視して、得意先の選別や百貨店への販売を強化。4ヵ月の変則決算となった2010年2月期の売上高は約10億円としていたが、経営環境は好転せず、2011年5月2日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請していた。

 その後、同年12月7日には再生手続き認可決定を受けていたものの、再生計画が遂行される見込みがなくなり、今回の措置となった。

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