日経平均1万円台乗せの「満額回答」相場で好配当利回り株へアプローチ=浅妻昭治

2012年3月19日 13:16

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

「満額回答」―――みたいなものだろう。日経平均株価の1万円台回復である。2012年春闘で、渋っていたトヨタ自動車<7203>(東1)、ホンダ<7667>(東1)などが・・・。

「満額回答」―――みたいなものだろう。日経平均株価の1万円台回復である。2012年春闘で、渋っていたトヨタ自動車<7203>(東1)、ホンダ<7667>(東1)などが・・・。[写真拡大]

【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】

  「満額回答」―――みたいなものだろう。日経平均株価の1万円台回復である。2012年春闘で、渋っていたトヨタ自動車 <7203> 、ホンダ <7667> などが、組合側の要求通りに一時金を支給することを決定したが、難渋していた相場の方も、投資家の要求通りに1万円台を上に突き抜ける「満額回答」をしてくれた感触だからである。

  1万円の大台を回復すると、こうも相場の景色が変わるものかと驚かされる。急に視界が開け、景気回復の時間が身近となり、1万円台定着後の先週末の新聞の折り込みチラシも、急に厚みを増した印象である。破顔一笑、投資家の顔も、総強気の自信に溢れている。このところ、日経平均株価は、前場が米国市場のコピー相場で上値を伸ばし、後場は、中国市場の写真相場で上値が重くなる展開を繰り返しているが、それも、「逆張り」相場から「「順張り」相場へ、「戻り売り」相場が、「押し目買い」相場に様変わりしていて、懸念する投資家も少数派になっているようだ。

  そうなると投資家も贅沢なもので、下値懸念は霧散して、上値期待を高めてより投資パフォーマンスの良好な銘柄への目移りを激しくしている。ここからアタックする銘柄は、日経平均株価との感応度の高いファナック <6954> 、ファーストリテイリング <9983> か、円高一服でリバウンド幅を拡大する主力輸出株中心のTOPIXCore30銘柄か、総額18兆円の東日本大震災の復興予算が本格執行される震災復興関連株か、個人投資家主導の割安東証2部株かなどなど、銘柄選択に苦労しているもののようである。

  多分、このいずれもが正解のはずである。強気相場は、正のスパイラルが続く。勝ち組と負け組とに2極化するのでなく、値上がり銘柄の多様化である。有望銘柄が次々と循環物色されて、相場全体を押し上げる展開である。

  そこで、3月期決算会社の期末接近ともにマークしておきたいのが好配当銘柄である。権利付き最終日まで残りほぼ1週間、債券投資並みに所有期間利回りを勘案すれば妙味は大きい。ただ好配当利回り買いといえば、東証第1部銘柄限定となっているが、日経平均株価が1万円台の乗せたここからは、これを東証第2部株、新興市場株まで投資対象を拡大することが、満額回答後の有望な投資方法となるはずで、配当利回りランキングの上位銘柄にアプローチしたい。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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