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【相場展望】短期的な過熱感強く重要イベント通過後の為替動向がポイント
【来週(3月12日~16日)の株式市場見通し】
■円安進行すれば強基調
来週(3月12日~16日)の日本株式市場は、一段と円安が進行すれば、引き続き強基調の展開が想定される。日経平均株価は終値ベースで1万円大台乗せの可能性もあるだろう。ただし、急ピッチの上昇に対する短期的な過熱感が強い状況だけに、13日の重要イベント通過後の為替動向がポイントになりそうだ。
ギリシャ問題に関しては、債務交換プログラムへの民間債権者の参加率が条件をクリアしたため、1300億ユーロ規模の追加支援が実行される見通しとなった。このため一旦は、市場の関心が薄れる可能性が高いだろう。米国景気の回復に対する期待感、世界的な金融緩和の動きに対する期待感、そして外国為替市場での円安進行などを好感して、投資家の買い意欲は旺盛だろう。
前週(3月5日~9日)の日経平均株価は、週前半3営業日合計で200円97銭(2.06%)下落したため、急ピッチの上昇による短期的な過熱感がやや解消された。そして週後半2営業日合計で353円68銭(3.70%)上昇し、上値を切り上げる展開となった。ただし週後半は、指数寄与度の高い値がさ株や主力大型株が大幅上昇したのに対して、中小型株の上昇は小幅にとどまった。全体としては、主要株価指数だけが先行した印象が強いだけに、循環物色で指数を支える展開になれば理想だろう。
また前週末9日の海外市場では、欧米株式市場が総じて上昇し、外国為替市場のドル・円相場では、11年4月下旬以来となる1ドル=82円60銭台に円が下落した。このため週初12日の日本株式市場は堅調なスタートが想定される。
その後の焦点は、12日~13日の日銀金融政策決定会合、13日の米FOMC(連邦公開市場委員会)という重要イベント通過後の為替動向だろう。いずれも、金融政策はほぼ現状維持でサプライズは期待薄との見方が優勢の模様である。したがって、ドル高・円安の地合いが継続する可能性が高く、輸出関連・景気敏感関連を中心に買い優勢の展開が期待されるだろう。
一方で、材料出尽くしなどでドル高・円安の流れが一服すれば、日経平均株価が9日の取引時間中に一時1万円大台に乗せて目先の目標達成感も警戒されるだけに、一旦は短期的な調整局面となる可能性があるだろう。ただし円安メリットで、来期(13年3月期)の企業業績に対する期待感が高まっているだけに、ドル安・円高方向の流れに転じない限り、下値は限定的だろう。
また、ギリシャ問題に関しては市場の関心が薄れる可能性が高いが、欧州や中国の景気減速懸念なども焦点となるだろう。イラン情勢や原油価格上昇に対する警戒感が強まる可能性にも注意しておきたい。また需給面で見れば、3月期末に向けた配当権利取りの買いが期待される一方で、決算対策売りも警戒されるだろう。
なお前週末9日の米国株式市場で主要株価指数は上昇した。ダウ工業株30種平均株価は前日比14ドル08セント(0.11%)高の1万2922ドル02セントと3営業日続伸した。ギリシャ債務交換プログラムが成立の見通しとなったこと、中国の消費者物価指数が市場予想以上に低下したこと、米2月雇用統計が市場予想を上回ったことを好感した。ただし米1月貿易赤字が拡大したことや、ISDA(国際スワップ・デリバティブ協会)がギリシャ債務交換をCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)支払事由に該当するとしたことなどを受けて伸び悩んだ。S&P500株価指数は前日比0.36%高と3営業日続伸、ナスダック総合株価指数は前日比0.60%高と3営業日続伸した。
ユーロ圏債務危機問題に関する前週の動きを整理すると、一時的に不透明感を強める場面もあったが、ギリシャ債務交換に対する民間債権者の参加率が条件を満たしたことで、総額1300億ユーロ規模の追加支援が実行され、ギリシャの無秩序なデフォルト(債務不履行)は回避される見通しとなった。9日のギリシャ政府発表によると、総額2060億ユーロに対して1720億ユーロ相当の参加率83.5%(ギリシャ国内法に基づく1771.6億ユーロに対して1520億ユーロ相当の参加率85.8%、国際法に基づく288.4億ユーロに対して200億ユーロ相当の参加率69.3%)となり、集団行動条項(CAC)発動による強制的削減後の民間参加率は95.7%の見込みとなった。またISDA(国際スワップ・デリバティブ協会)は9日、ギリシャ債務交換がCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)決済が発生するクレジット・イベント(信用事由)に該当するとの見解を発表した。ユーロ圏債務危機問題は根本的に解決したわけではないが、一旦は市場の関心が薄れる可能性が高いだろう。
米国の主要経済指標では、雇用情勢改善を示す指標が注目されている。5日には、米1月製造業新規受注が前月比1.0%減少となり、12月改定値の同1.4%増加に比べて悪化したが市場予想を上回った。米2月ISM非製造業景況指数は57.3となり、1月の56.8に比べて改善して市場予想も上回った。7日には、米2月ADP雇用報告で非農業部門の民間就業者数が前月比21.6万人増加となり、1月改定値の同17.3万人増加に比べて市場予想以上に増加した。米1月消費者信用残高は178億ドルとなり、12月改定値の163億ドルに比べて市場予想以上に増加した。8日には、米新規失業保険申請件数が36.2万件となり、前週改定値の35.4万件に比べて0.8万件増加して市場予想以上に悪化した。9日には、米2月雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比22.7万人増加となり、1月改定値の同28.4万人増加に比べて鈍化したが、3カ月連続で20万人超の増加となり市場予想を上回った。2月失業率は8.3%となり、1月の8.3%に比べて横ばいだったが市場予想と同水準だった。米1月貿易収支は526億ドルの赤字となり、12月改定値の504億ドル赤字に比べて市場予想以上に赤字幅が拡大した。
中国に関しては、5日に12年のGDP成長率目標を前年比7.5%に設定して、昨年までの8%前後から引き下げた。また9日に発表された中国2月消費者物価指数は前年同月比3.2%上昇となり、1月の同4.5%上昇に比べて大幅に低下して市場予想も下回った。
日本に関しては、8日に発表された1月国際収支で経常収支は4373億円の赤字となった。単月ベースで過去最大の赤字額となり、市場予想以上に赤字が膨らんだ。10~12月期実質GDP2次改定値は前期比マイナス0.2%成長となり、1次改定値の同マイナス0.6%成長から上方修正された。年率換算ではマイナス0.7%成長となり、1次改定値のマイナス2.3%成長に比べて上方修正された。いずれも市場予想とほぼ同水準だった。
外国為替市場の動きを見ると、ドル・円相場については、ポジション調整の動きなどで円安一服の場面もあったが、基調としてはドル高・円安の地合いだった。週末9日の海外市場では、米2月雇用統計の改善も受けてドル買い・円売りに弾みがつき、11年4月下旬以来となる1ドル=82円60銭台に円が下落する場面もあった。ユーロ・円相場については、ギリシャ債務交換プログラムに対する警戒感などでユーロ売り圧力が強まる場面があり、ユーロ高・円安一服の展開となった。週末9日の海外市場で終盤は1ドル=82円40銭~50銭近辺、1ユーロ=108円10銭~20銭近辺だった。
テクニカル面では、日経平均株価(9日時点の9929円74銭)の移動平均線に対する乖離率は、25日移動平均線(同9426円62銭)に対しては5.33%、75日移動平均線(同8836円20銭)に対しては12.37%、200日移動平均線(同9041円98銭)に対しては9.81%となった。東証1部市場の騰落レシオ(25日移動平均)は9日時点で142.7%となり、短期的な過熱感が強い状況が続いている。
■注目スケジュール
来週の注目スケジュールとしては、国内では、12日の1月機械受注、2月企業物価指数、2月消費動向調査、2月ビール系飲料課税出荷数量、日銀金融政策決定会合(1日目)、13日の1月第3次産業活動指数、日銀金融政策決定会合(最終日)、14日の1月鉱工業生産確報値、1~3月法人企業景気予測調査、15日の2月首都圏マンション発売戸数、16日の1月景気動向指数改定値、日銀金融政策決定会合議事要旨(2月13日~14日分)などがあるだろう。
海外では、10日の中国2月貿易統計、12日のユーロ圏財務相会合、EU財務相理事会、米2月財政収支、米3年債入札、13日の仏1月経常収支、英1月貿易収支、独3月ZEW景気期待指数、米1月企業在庫、米2月小売売上高、米週間チェーンストア売上高、米週間レッドブック大規模小売店売上高、米10年債入札、米FOMC(連邦公開市場委員会)、14日の中国全国人民代表大会(全人代)最終日、英2月失業率、ユーロ圏1月鉱工業生産、ユーロ圏2月消費者物価指数改定値、米2月輸出入物価、米第4四半期経常収支、米住宅ローン・借り換え申請指数、米30年債入札、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の講演、15日のインド中銀の金融政策見直し、スイス中銀金融政策会合、米1月対米証券投資、米2月卸売物価指数、米3月ニューヨーク州製造業景況指数、米3月フィラデルフィア地区連銀業況指数、米新規失業保険申請件数、IMF理事会、16日のユーロ圏1月貿易収支、米2月消費者物価指数、米2月鉱工業生産、米3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値などがあるだろう。
その後の注目イベントとしては、18日の中国2月主要70都市新築住宅価格、19日のユーロ圏1月経常収支、20日のギリシャ国債145億ユーロ償還期限、21日~22日のECB理事会、22日の日本2月貿易統計、米2月景気先行指数(コンファレンス・ボード)などが予定されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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