【外国為替市場を検証:ドル・円相場】週末9日の海外市場で1ドル=82円60銭台に円が下落

2012年3月10日 16:31

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

【外国為替市場フラッシュ:3月5日~9日のドル・円相場】

■ドル高・円安の地合い継続

  3月5日~9日の週のドル・円相場は、概ね1ドル=80円50銭台~82円60銭台のレンジで推移した。ポジション調整の動きなどで円安一服の場面もあったが、基調としてはドル高・円安の地合いだった。週後半には、ギリシャ問題に対する警戒感が後退し、米2月雇用統計の改善も受けてドル買い・円売りに弾みがつき、11年4月下旬以来となる1ドル=82円60銭台に円が下落する場面もあった。9日の海外市場で終盤は1ドル=82円40銭~50銭近辺だった。

  ドル・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末2日の海外市場では1ドル=81円80銭台に円が下落した。やや手掛かり材料難となり1ドル=81円台半ばでモミ合う場面もあったが、ドル買い・円売りの地合いが継続して終盤は1ドル=81円70銭~80銭近辺だった。

  この流れを受けて週初5日の東京市場では、概ね1ドル=81円10銭台~80銭台で推移した。ポジション調整の動きに加えて、中国が12年のGDP成長率目標を前年比7.5%に設定し、昨年までの8%前後から引き下げたことなどでリスク回避の円買いがやや優勢になった。終盤は1ドル=81円10銭~20銭近辺だった。5日の海外市場では、概ね1ドル=81円20銭近辺~60銭近辺で推移した。米2月ISM非製造業景況指数が57.3となり、1月の56.8に比べて改善して市場予想も上回ったため、ドル買い・円売りがやや優勢になった。終盤は1ドル=81円50銭~60銭近辺だった。

  6日の東京市場では、概ね1ドル=81円20銭台~50銭台で推移した。小動きだったが、ドル売り・円買いがやや優勢となり、終盤は1ドル=81円20銭台だった。6日の海外市場では、1ドル=80円50銭台に円が上昇する場面があった。ギリシャの民間債権者による債務交換合意期限が延期されるとの噂や、集団行動条項(CAC)発動に対する警戒感でユーロが売られ、リスク回避の円買いの動きとなった。終盤は1ドル=80円80銭~90銭近辺だった。

  7日の東京市場では、概ね1ドル=80円50銭台~90銭台で推移した。リスク回避の円買いは一巡したが、週末の重要イベントを控えてドル買いの動きも限定的となり、モミ合う展開だった。7日の海外市場では、概ね1ドル=80円50銭台~81円20銭台で推移した。序盤は1ドル=80円台後半でモミ合う展開だったが、米2月ADP雇用報告で雇用情勢の改善を確認したことや、ギリシャの債務交換が成立する可能性が高まったことを受けて、後半はドル買い・円売りが優勢になった。終盤は1ドル=81円10銭近辺だった。

  8日の東京市場では、概ね1ドル=81円00銭台~30銭台で推移した。日本の1月国際収支で経常収支が4373億円の赤字となり、市場予想以上に赤字額が膨らんだことでドル買い・円売りがやや優勢になった。その後は1ドル=81円20銭~30銭近辺でモミ合う展開となった。終盤は1ドル=81円30銭台だった。8日の海外市場では、1ドル=81円70銭台に円が下落する場面があった。ギリシャ債務交換成立に対する楽観論が広がりリスク回避の動きが後退した。米新規失業保険申請件数は36.2万件となり、前週改定値の35.4万件に比べて市場予想以上に悪化した。このため一旦は1ドル=81円40銭近辺でモミ合う展開となったが、終盤にかけて再びドル買い・円売りが優勢となった。終盤は1ドル=81円50銭~60銭近辺だった。

  9日の東京市場では、概ね1ドル=81円40銭台~80銭台で推移した。午後にかけてドル買い・円売りが優勢になる展開だった。ギリシャ債務交換で民間債権者の参加率が85.8%となり、ギリシャ政府が集団行動条項(CAC)を発動(発動後の参加率は95.7%)する意向を示したとの報道を受けて、ユーロ売りの流れが波及してドル売り・円買い方向に傾く場面もあった。しかし終盤にかけては再びドル買い・円売りが優勢になった。終盤は1ドル=81円60銭台だった。9日の海外市場では、11年4月下旬以来となる1ドル=82円60銭台に円が下落する場面があった。ギリシャの無秩序なデフォルトが回避されたことや、米2月雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったことを受けて、米長期金利が上昇してドル買い・円売りに弾みがついた。ISDA(国際スワップ・デリバティブ協会)は、ギリシャ債務交換がCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)決済が発生するクレジット・イベント(信用事由)に該当するとの見解を発表したが、反応は限定的だった。終盤は1ドル=82円40銭~50銭近辺だった。

  ドル・円相場に関しては、ポジション調整の動きなどで円安一服の場面もあったが、基調としてはドル高・円安の地合いとなっている。ギリシャの無秩序なデフォルト(債務不履行)が回避されてリスク回避姿勢が後退したこと、米景気回復期待で追加金融緩和策観測が後退していることに加えて、日本の経常黒字減少に対する懸念が高まっていることも、ドル買い・円売りにつながっている。

  1月25日の米FOMC(連邦公開市場委員会)声明では低金利政策の長期化が示されたが、米主要経済指標の改善などで量的緩和策第3弾(QE3)観測は大幅に後退している。当面はドル高・円安の地合いが継続する可能性が高いだろう。世界的な金融緩和の流れの中で、3月12日~16日の週には日米で金融政策決定会合が控えている。日米両国の金融政策に対する思惑が焦点となりそうだ。

  当面の注目イベントとしては、10日の中国2月貿易統計、12日のユーロ圏財務相会合、EU財務相理事会、米2月財政収支、12日~13日の日銀金融政策決定会合、13日の米2月小売売上高、米FOMC(連邦公開市場委員会)、14日の米第4四半期経常収支、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の講演などがあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【特集】セクター別動向「小売(百貨店)関連」(2)(2012/03/10)
【工作機械関連銘柄特集(1)】11年の工作機械受注は大幅増加(2012/03/03)
犬丸正寛の相場格言~データでは説明できない先人の知恵をもとに株式投資で大成功~(2012/02/02)
株式評論家・浅妻昭治のマーケットセンサー(銘柄発掘の王道を伝授・注目株厳選)メルマガがスタート!登録受付中(2012/02/02)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事