相場は天井圏では強く底値圏では弱く見える=犬丸正寛の相場格言

2012年3月10日 09:34

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

日本には仕手株という理屈の通用し難い独特の動きもありますが、それは限られた時期だけのことであり、グローバル化時代の投資としては世界標準で通用する投資の心構えが大切でしょう。

日本には仕手株という理屈の通用し難い独特の動きもありますが、それは限られた時期だけのことであり、グローバル化時代の投資としては世界標準で通用する投資の心構えが大切でしょう。[写真拡大]

■相場は天井圏では強く見え、底値圏では弱く見える

  人には感情がついているので、難しいところですが、その感情を乗り切らないと相場で利を得ることは難しいという教えです。その感情とは、相場がボトムからピークを打つまでの過程を投資家心理で追ってみますと、底打ちから反発局面では、「まさか」、本物ではないだろう、これだけ現実が悪いのだからと疑って考えます。

  しかし、その強さがしばらく続きますと、疑いの気持ちはなお残るものの、「本当かもしれない、」という心理が芽生え、とくにバスに乗り遅れたくない気持ちが高まります。その時点で、うまく相場に乗り、株価上昇で気分よくなりますと、「この相場はこのていどの上げでははおさまらない、まだまだ」、という気持ちが強くなります。有頂天になっていますので高水準となったことなど、まったくおかまいなく強気です。

  しかも、相場が天井を打って下がり始めても、「必ず戻る」と強気の見方を変えることができず、自分を強気に納得させる理由ばかりを考えるのです。ところが、株価が大きく下がってくると、そういう人に限って、極端な弱気になり、業績が少し減益になるだけでも会社が倒産するのではないかと悪く考えてしまいます。このように、相場は天井圏では強く見え、底値圏では弱く見えてしまうものです。

  少し、うがった見方をすれば、たとえば外国人投資家が、横文字を交えて、新しい相場が始まったような印象を演出して、相場を強く見せ、売り逃げようとするでしょうし、反対に、底値圏では理路整然と日本経済の稀弱さを強調して、処分売りを誘い、底値圏で投げさせ、安く買い集めるという指摘もあります。

  日本の投資家の熱しやすく、冷めやすく、しかも、外国に弱いという性格を見抜いたやり方ではないでしょうか。これを防ぐには、一喜一憂する日本人特有の感情を改め、外国人投資家のように、「原因と結果の法則」に法り、クールに淡々とした気持ちで相場に取組むことが大切です。もちろん、日本には仕手株という理屈の通用し難い独特の動きもありますが、それは限られた時期だけのことであり、グローバル化時代の投資としては世界標準で通用する投資の心構えが大切でしょう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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