【株式市場を検証】日経平均株価は反発して10月28日以来の9000円台回復

2012年2月8日 19:04

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【TOPIXは3営業日続伸して8月8日以来の水準】

■東証1部市場の売買代金は7営業日連続で1兆円を上回る

  8日は、日経平均株価が前日比98円07銭(1.10%)高の9015円59銭となり反発した。終値ベースで9000円台を回復し、昨年10月28日(9050円47銭)以来の水準となった。TOPIXは前日比9.57ポイント(1.24%)高の782.34と3営業日続伸し、終値ベースで昨年9月1日(778.28)を上回り、昨年8月8日(782.86)以来の水準となった。

  前日7日の米国株式市場が上昇したこと、外国為替市場で対ドル、対ユーロともに円安方向に傾いたこと、前日の取引終了後にトヨタ自動車(7203)が12年3月期業績見通しを上方修正したことなどを好感し、株価指数先物取引が主導する形で上昇幅を広げた。日経平均株価の日中値幅は58円81銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で1兆3207億円となり、前日の1兆1150億円に比べて増加し、7営業日連続で1兆円を上回った。

  前日7日の米国株式市場でダウ工業株30種平均株価は前日比33ドル07セント(0.26%)高の1万2878ドル20セントとなり小幅反発した。

  ギリシャ債務交換交渉や第2次支援協議に対する不透明感が弱材料視されて序盤は売り優勢だったが、ギリシャ連立与党の協議が前進するとの報道や、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長が議会証言で米国経済にやや楽観的な見通しを示したことなどを受けて切り返し、前日比プラス圏で取引を終了した。

  S&P500株価指数は前日比0.20%高と小幅反発、ナスダック総合株価指数は前日比0.07%高と小幅反発した。米12月消費者信用残高は193億ドルとなり、11月の204億ドルから減少したが市場予想を大幅に上回った。

  こうした流れを受けて日経平均株価は前日比54円36銭高と買い優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き370万株の買い越し観測だった。外国為替市場で円安方向に傾いたことも支援材料だった。ただし寄り付きの買い一巡後は上値が重く、日経平均株価は上昇幅をやや縮小して8900円台半ばでモミ合う展開となった。7日に予定されていたギリシャのパパデモス首相と与党3党首の会談が8日に延期されるなど、ギリシャ問題が警戒感につながった。

  午後に入ると、株価指数先物取引が主導する形で日経平均株価は上昇幅を広げて9000円台を回復した。ECB(欧州中央銀行)がギリシャ債務削減に協力するとの報道を好感し、外国為替市場で一段と円安方向に傾いたことや、アジアの主要株式市場が上昇したことも支援材料だった。午後の中盤には利益確定売りなどでモミ合う場面もあったが、日経平均株価、TOPIXともに、この日の高値で取引を終了した。

  東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄1281(全体の77%)、値下がり銘柄290(全体の17%)だった。セクター別には、ほぼ全面高の展開だったが、食品、鉄鋼、電機・精密、自動車、銀行などの上昇が目立った。一方で建設、電力・ガスがやや軟調だった。

  東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、1位のトヨタ自動車 <7203> は業績見通し上方修正が好感され、2位のディー・エヌ・エー <2432> は自社株買いが支援材料となり、いずれも大幅上昇した。

  また3位の三菱UFJFG <8306> 、5位の日本たばこ産業(JT) <2914> 、6位の三井住友FG <8316> 、7位のみずほFG <8411> 、8位のキヤノン <7751> 、9位のソフトバンク <9984> 、10位のホンダ <7267> 、11位の日産自動車 <7201> 、12位のパナソニック <6752> 、13位のファーストリテイリング <9983> 、14位のソニー <6758> 、15位の新日本製鉄 <5401> 、16位のJFEホールディングス <5411> など、主力銘柄が総じて上昇した。

  一方で、4位のグリー <3632> 、17位のコマツ <6301> は利益確定売りが優勢となり下落した。

  日経平均株価は昨年10月28日以来の9000円台回復、TOPIXは昨年8月8日以来の水準回復となり、市場には明るさが戻り始めているようだ。主力銘柄が総じて上昇し戻り歩調であることも、投資マインドの改善につながっているだろう。短期的な過熱感に注意が必要だが、ギリシャ問題や外国為替市場の動向に波乱がなければ、戻り相場の本格化も期待できそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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